愛を知る時〈深紅×漆黒〉２

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2人の間で何かがあったんだなっていうのも、

すぐにわかった。




でも、きっとこれは

紫耀と廉、

2人で解決しなきゃいけない事だって思ったから



気になって仕方なかったけど、黙ってたんだ。









なのにさ、

廉はどっちつかずの態度取りながら


紫耀を弄ぶみたいなことして。




家に泊まりに行ったのもそうだよ。





紫耀は一見、嬉しそうで幸せそうに見えた。







だけど、その笑顔の奥で

すっごく辛そうなのがわかったから。









「……ねぇっ、紫耀」


『ん？なに、海人』


「やっぱり、廉が泊まったの？」


『あー……うん、そう。ちょっと成り行きでね』


「成り行きって……」


『別に泊まっただけでなんもないから。あるわけないし』






悲しげな表情を浮かべる紫耀に

なぜか俺が泣きそうになった。





「紫耀はっ、……それで、いいの？」


『………別に、それで、』


「しょおｯ、」


『海人』


「………」


『頼むから……。廉のことだけは傷付けないで』


「……しょぉ〜……」






自分だってすごくすごく辛いはずなのに、



それでも廉のことばっかり気にする紫耀は

ほんとにかっこいいと思った。







同時に、何も出来ない自分がすごく悔しかった。









だから、楽屋で紫耀を膝枕してる廉を見た時に、



俺の中で何かがブチ切れちゃった。








廉のことだけは傷付けないで、って言われたのに



俯いてぼそぼそ言い訳する廉を見たら

余計に頭に血が昇っちゃって




自分でもびっくりするくらいの勢いで怒ってしまった。









岸くんとジンが入ってきてくれなかったら、

マジで廉のこと殴ってたかもしれない。









楽屋を出て行った廉に、紫耀はすぐ電話を掛けて。






「紫耀っ！！」




追いかけるように俺も楽屋を飛び出して、

紫耀を呼び止めた。





俺こそ紫耀に殴られるかも、って思ったのに。







「しょぉ、俺、」


『海人は悪くない。わかってるよ』







"ごめんな。海人"


"ずっとごめんな"









優しいハスキーな声は、震えてた。




ずっとごめんな、なんて。




ずっとずっと頑張ってきたのは、

紫耀、なのに。






紫耀の心が、

今にもぽきって折れるんじゃないかって

心配で心配でたまらなかった。







それでも廉を追い掛けて走り出す紫耀は





やっぱり、誰よりもかっこよかった。
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