愛を知る時〈深紅×漆黒〉２

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岸「…………なんなのこれ？」


神「岸くんそれ愚問だわ」


岸「エンディングの間に何があったわけ……？」






帰りの車、

一番後ろのシートでぴったり体を寄せて、手を繋いで。





じいーっと俺らを観察してくるメンバーをよそに

俺らは今までが嘘みたいに


にこにこ笑い合って言葉を交わしてた。









岸「え、なんか今までと雰囲気違くね？」


神「まぁいいんじゃないですか。幸せそうだし」


高「俺……この時を待ってた！エモい！！」


岸「あっそうだ、本番前何で喧嘩してたんだよ？」


高「もーいいじゃんそれは！ねぇそれより見て！しょうれんずーっとトレンド入ってる！めっちゃ盛り上がってるよ！」


神「そりゃあエンディングの終わりスレスレに手繋いで飛び込んできたらねぇ……」








『ねぇ廉、このまま俺ん家来る？』


「ええん？」


『うん、ちゃんとゆっくり話したいし、一緒にいたい』


「そやな。俺も紫耀とおりたい」





俺の言葉に紫耀は嬉しそうに笑うと

いつものように頭を撫でてくれて



ついでのように、額にチュッとキスされた。







「！ しょぉぉ……！！」


『あ、ごめん』








あ。ちゃうねん！！






海人は「おおおお……」言うてるし、


岸さんの、エーッ……！？なんて声も聞こえた気がするけど。









「お前ほんまその無意識やめぇや……！！」


『ごめんって〜』








目の前で、紫耀が笑ってる。


俺のそばにおってくれる。




大好きな人と、一緒におれる。





俺を、愛してくれてる。






ただそれだけで、心がふわっと軽かった。









遠回りして、


傷付いて、傷付けて、



やっと辿り着いた場所。









隣に、大好きな人がおる。




繋いだ手を、そっと強く握り直してくれて


また、ふたりで笑い合った。








そっと肩に頭を乗せて、目を閉じた。








………紫耀。





大好き、やで。









窓を流れる、東京の景色。




明日からの日々は、今までとはまた色を変えるやろう。








今までよりもずっと鮮やかに、





もっともっと、美しく。









fin.

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