27 ページ27
.
『れんー、これ食べる？』
「……い、いらん」
『そう？』
『廉、行くよー』
「お、おう……」
あかん。調子狂う。
平気で頭も撫でてくるし、喋ってくる、
"いつも通りでおる"っていう
そういう選択をあいつはしたんや。
だから、俺もそうしなあかん、って
頭ではわかってんのに。
紫耀が俺に話し掛けてくる度
触れてくる度、
過剰なくらい反応してしまう自分。
紫耀を傷つけたくない、
あいつには笑っててほしい、
ほんまにそう思ってんのに。
従われへん俺の心は、どうなってるんやろ。
.
高「ねぇ紫耀、これ見て！」
『何？うわ何これ、すげー』
楽屋のソファーで
海人と紫耀が2人でスマホを覗き込んでる。
たぶん、海外のダンス動画か何かやろうけど。
高「やばくない？！」
『すげぇな〜、よく見つけたね海人』
目尻を下げて、褒めるように優しく言う紫耀に
海人はわかりやすく喜んで。
高「やった！後でジュース奢って〜」
『はぁ！？もー、しょうがないな』
天性の末っ子気質を持つ海人には
みんなが甘くなる。
そこに他意はない事なんて、俺が一番わかってる。
けど……
高「あ！あとさぁ、このお店気になってるの！」
『へー、おいしそうじゃん』
高「でしょ！？ねぇ紫耀今度行こうよ」
『行くって、俺が車でお前拾って連れてって最後送るまでしなきゃいけないんでしょ？』
高「あっ、バレた？笑」
素直に甘えられる海人が、羨ましい。
いや、こんな事がなくても
紫耀とプライベートでどっか行くなんて
もう何年もしてなかったけどさ……
高「いーじゃん、俺を彼女だと思ってさ〜」
…………何が彼女や、
ベタベタくっついて。
紫耀がどんな想いを抱えてるか、知らんくせに。
どす黒いものに近い気持ちが
胸を支配していくのにハッと気付いて、
慌てて2人から目を逸らした。
……俺、今、
睨んでなかった、か？
.
『飲み物買ってくるわ。海人何がいいの？』
高「えっほんとにいいの？」
海人の注文を聞いた紫耀は
いつもの気怠そうな歩調で、楽屋を出て行った。
高「廉、どこ行くの？」
「……ちょっと」
反射的に、としか言いようがない。
俺は、紫耀の背中を追い掛けた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1575人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あい(プロフ) - こんにちは！二人の関係に目が離せません、（ ; ; ）次章も読ませていただきます！！！素敵なお話をありがとうございます♪ (2022年4月29日 13時) (
レス) @page46 id: 74fb46b4d8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます(;_;)次章に移行しましたのでぜひまた読んで下さいね！ (2021年1月11日 0時) (レス) id: f4acf235ea (このIDを非表示/違反報告)
あい - こんにちは！続きが凄く気になります！！更新頑張ってください！！応援してます！！！ (2021年1月9日 8時) (レス) id: 42acba34ce (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 青苺さん» コメントありがとうございます！楽しみにして頂いて嬉しい限りです、、！更新がマイペースで、いつ完結するのやらって感じですが、頑張って書いていきますのでぜひまた読んで下さいね。 (2020年12月11日 22時) (レス) id: f4acf235ea (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - ななみさん» コメントありがとうございます！一気読み嬉しいです。更新がんばりますね！ (2020年12月11日 22時) (レス) id: f4acf235ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうみ
| 作成日時：2020年10月24日 22時
