君の元へ〈紫〉２

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ﾋﾟﾝﾎﾟｰｰｰﾝ






「あ」


「「「「あ！！！！！」」」」






声が重なって

わいわい騒いでたみんなが、一気に散らばる







平「Aちゃんっ、いつもどーり、いつも通りにね！」


高「おかえりー♡って出迎えてあげてね！」






うん、やっぱり

そういう事ですよね、はい。





脱力しそうなのを堪えながら

モニターのボタンを押す。







『あ、A？ただいま』


「おかえり……」







オートロックを解除すると

背後からは押し殺したような笑い声が聞こえて






永「ジンっ、ムービー撮れ！」


神「おっけ！」





団結力の良さに、もはや感心するしかない

ごめんね、優太くん……




二度目のインターフォンが聞こえて

哀れな彼氏を迎えに、玄関に向かった。








『ただいまー、ごめんな遅くなった！』


「ううん、おかえり……」


『待ってな、今から集合かけるわ』


「うん……」


『あーなんか緊張すんね！緊張する？』


「う、うん……」


『そかそか。そーだよなー』






言いながら、抱き寄せられる





帰ってきてまず一番に私を抱きしめるのは

いつもの事、だけど






『はー、今日メンバーいるからこんなん出来ねーよなー』


「そ、だね……」


『どしたの？』


「う、ううん……あの、準備とか、」


『ん、でももーちょい……』





ぎゅ、と

優太くんが私を抱きしめ直した瞬間







「ぶふっ、！」






誰のかわからない、吹き出す声で









『───うわぁぁぁぁぁっ！！！？』







優太くんの絶叫が、響き渡った。









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『信じらんねーお前ら！マジで！悪趣味！』


平「いやー、最高だった！」


高「岸くんってあんな甘々なんだね……」


永「いやむしろ靴で気付かんのがやばいって」


『靴？うわっ、マジだ！えーマジか、くっそー』


神「いやもうめっちゃ良いの撮れたんだけど！」


高「えー！それ後で絶対送って！」


平「てか誰？さっき笑ったの。ちゅーまで撮ろうって言ってたのにさぁ」


『ふっざけんな！！』







まるで高校生のような言い合いに

なんだか、緊張も溶けていく。








平「ほらぁ岸くん、ちゃんと紹介してよ」


『ふざけんなここまでやって紹介もなんもねーだろ！』


神「とりあえず食べようよ、せっかく作ってくれたんだし」


高「Aちゃん俺手伝うー！」


「あ、はい」


『おい海人Aに触んなっ！！！』

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