君の元へ〈紫〉２

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少し、ビックリした。





テレビや雑誌

優太くんの仕事に目を向けるようになって



自然と、他のメンバーのことも覚えたし





"メンバー"という存在が、どういうものなのか

一般人の私にはわからないけど





でも、家族とも友達とも違う

"特別な人たち"なんだろうな、というのは


優太くんからメンバーの話を聞く度



すごく伝わってきてたから……。








『うん。俺もちゃんと紹介したいと思ってたし……Aが乗り気じゃないなら全然、やめとこうと思ってたんだけど』



「……ううん、」





強がりでも偽りでもなく

最初に浮かんだのは




"嬉しい"





紹介したいと思ってくれた、って事が

すごくすごく、嬉しい。



そう伝えれば、

優太くんはホッとした顔を浮かべて。






『そっか。良かった』


「でも緊張するなぁ……」







優太くんはともかく

他のメンバーは"芸能人"ってイメージだし




紫耀くんは会ったことあるとはいえ

一瞬だったし、マスクもされてたしなぁ……







『あ〜〜〜〜。でも怖えーなっ』





ぼんやり考えていると、

優太くんの困ったような声が聞こえた。









「怖い？」


『ん、だってメンバーみんなイケメンだもん。Aが惚れちゃったら困る』






冗談かと思えば、大真面目な顔で言ってるから

思わず吹き出してしまう。








『なっ！笑うなよー！』


「だって、笑」


『あのなー、マジでみんなかっこいいんだからな？テレビより数倍かっこいいんだぞ？』


「いや、そこじゃなくて。笑」







全くわかってなさそうな優太くん

笑う私に、本気でぽかんとした顔をして。



ほんとに、わかってないなぁ全く。








「あのね、私が優太くん以外に惚れるわけないでしょ？」


『………！』





その顔は、

一瞬で、犬が尻尾を振るような顔に変わって



……あぁ、もう、ほんとに可愛い。








"彼氏を可愛いと思ったら末期"

なんて言葉を


どこかで聞いた気がするけど



あながち間違ってないなぁ、なんて。











『いやっ、でもわかんねーぞ！？廉とか国宝級だかんな？！』


「何それー。笑」


『ジンも国彼だし、海人は年上キラーだし……』


「わかったよ、もー(笑) ってかコクカレって何？」

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