君の元へ〈紫〉２

６６ ページ17

.

＊＊＊






片付けもやっと一段落。





みんなは、仕事の疲れと

お酒を飲んだのもあってか




順にシャワーを終えると

どんどん寝落ちちゃったみたいで。







寝室では、海人くんと廉くんが(戦いは海人くんが勝利したみたい。笑)



リビングのソファでは、ジンくんが




そのすぐそば、ラグの上でクッションを枕に

紫耀くんが寝ちゃってた。







私もそろそろシャワーしなきゃな

でもちょっと休憩……






飲みかけの缶ビールを片手に、ベランダに出る。





なんだか、怒濤の一日だったなぁ……





ビールに口をつけると、ふっと力も抜けて

ずいぶん肩に力が入ってた事に気付く。





なんだかんだ言っても、ほぼ初対面だったわけだし

緊張するなって言う方が無理だもんね……









.









ｶﾗｶﾗｯ





『あ、ここか。ごめんな、先シャワーした』


「んーん、いいよ」


『寒くない？』


「ううん。飲んでるし。笑」


『おお(笑) 変わらず強いねー』







シャワーを済ませた優太くんが

肩にタオルを引っ掛けたまま、ベランダに出てきた。




ふたりで寄りかかって、夜空を眺める

いつもの、時間。









『大丈夫？気ぃ遣ってしんどかったっしょ』


「ん……でもみんないい人だし、楽しかったよ」


『そっか、うん、それはほんと、みんないい奴だから』






途端に、その顔には笑みが広がって


優太くんにとって

メンバーがどれだけ大きな存在なのか、伝わってくる。




そして、そんな人たちに


私を紹介してくれた事……





改めて、本当に本当に、嬉しい。









それに、買い出しから帰ってきて聞こえた会話






"わかんねーよ、全部好きだし……"


"ほんとに好きすぎてやばいっていうか"


"どこまで好きになっちゃうんだろ？みたいな……"









紫耀くんが、言ってくれたこと




"岸くん、Aちゃんと出会ってから、めちゃめちゃ幸せそうだよ？"








今日一日で、どれだけの幸せを感じたんだろう








思い出すと、急に泣きそうになって






慌てて、顔を背けた

.

６７→←６５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す