・ ページ9
.
「それと……これは、君らの年齢には酷かもしれないけど」
いろんな説明を受ける中で
事務所の人の声が、少しためらいを含んだのは
話の最後だった
「これからが一番大事な時だ」
一瞬、何のこと言ってるんだろうって思ったけど
たぶん全員が、すぐにわかったと思う
「仕事に集中して、プライベートはないぐらいのつもりで。恋愛するなとは言わないけど、今そういう相手がいるなら、考えろよ」
「デビューするっていうのは、そういう事だ。もう自分だけの問題じゃなくなるんだからな」
「今後もそうだけど、今この時期に何か出たら、まずデビューは白紙だからな。恋愛はいつでも出来る。チャンス逃すなよ。───特に平野、」
突然名指しされて、ビクッと体が揺れた
「お前は女関係全部切るくらいの覚悟でいけよ」
『………』
「今さら言う必要もないと思うけど、事務所はお前に金かけて───」
永「やめましょうよ、そーいうの。気を付けなあかんのは全員一緒やないすか」
咄嗟に切り込んでくれたのは
Aの事を知ってくれてるからだってわかったけど
笑って同調する余裕なんかなくて
廉の言葉に、
スタッフさんはそうだな、と小さく呟いたけど
それでも、念押しみたいに同じ話をされてから
ようやく俺らは解放された。
.
.
高「ねぇ、最後に言われた事ってさぁ……」
神「遊ぶなって事でしょ」
岸「まぁ今は……我慢しなきゃいけない時だよね」
高「えー、彼女いても別れなきゃなんないの?」
神「そうじゃなくて、そのくらいの覚悟でって事だと思うよ」
永「海人お前彼女なんかおらんやろ。笑」
高「うるさいなぁもー!!!」
永「あー、俺も狙ってる子おったのになー!」
『………』
神「紫耀は?今彼女いたんだっけ?』
『………、いや…………』
永「えっ?」
岸「やー、マジ頑張んないとだな!うっしゃー!」
謎の気合を入れて先頭を歩く岸くん
メンバーが離れたと同時
最後尾の俺に、廉が飛び付いてきて
永「おい紫耀っ、お前、Aは?」
『………』
永「………別れたん?」
『………』
何も言わない俺に、廉はそのうち聞いてくるのをやめて
慰めるように、肩をぽんと叩いて
他のメンバーを追い掛けていった
.
3196人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yamayama0509021(プロフ) - とても面白かったです!!!番外編というか、続きが見たいです、、事務所に怒られたりするとこや、メンバーに紹介したらなんかまたゆうみさんの描く作品を拝見させていただきたいです、、 (2021年1月9日 10時) (レス) id: f5163d79d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - ななみさん» コメント下さり有難うございます(^^)廉くんはただの良い人でした笑。他の作品もぜひ読んで頂けましたら嬉しいです! (2020年12月11日 22時) (レス) id: f4acf235ea (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - 素敵な作品を読ませいただきありがとうございました。廉君のアシストが絶妙でした。他の作品も是非読ませてください。 (2020年12月10日 3時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
莉帆(プロフ) - こちらこそほんとに嬉しいです!いつでも待ってます! (2020年9月14日 15時) (レス) id: f844b9dad0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 莉帆さん» コメント頂きましてありがとうございます!嬉しいです(^^)番外編、良いですね!どこかでその後が書けたらとは思っていたので、検討させて頂きます。ありがとうございます(^^) (2020年9月14日 3時) (レス) id: f4acf235ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆうみ | 作成日時:2020年6月9日 20時