たったひとつ〈深紅〉 ３

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それなのに、また、会いに行った






ドームの広さに

関わる人の多さに



Aの事でバキバキだったメンタルが、完全に折れて





拒絶されるかも、とか

そんな事よりも





ただAに会いたかった


触れたかった








顔を見たら、なんかもういろいろ力が抜けて



剥がれ落ちてくみたいに

弱音ばっか口からこぼれて







それでも、Aは俺を突き放さなかった



こんな俺を、抱きしめて







……だいすきだよ、って言ってくれた









俺の腕の中で

涙で濡れたAの顔を見た瞬間



何かが、崩れてしまった






何度もキスをして

それだけじゃ止めらんなくて


肌を重ねて









あの頃から、何度も何度も

たくさん傷つけたのに


こんな俺の全てを、受け入れてくれた





もうどうしようもないくらい


好き、なのに









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見せられた写真が、頭をよぎる




ジンの言う通りだ

ツーショットじゃないとか、そんなの関係ない







何で俺は、こんなにばかなんだろう

笑えないくらい、自分が情けないよ









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どれくらい、そうしてたんだろう




がらんとした楽屋で、ずっと座っていたのを






やっと顔を上げたのは

誰かの手が、肩に触れたからだった









『………岸くん』






笑ってるのか

しかめているのか



読み取れない表情の岸くんが、そばに立っていた














岸「……ちょっと話さない？」

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