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「やるなら俺は今度こそスネイクに勝つ！」
「おうやってみろライム！俺はパンチに負けねぇよう頑張るさ」
ホンゴウの思いとは裏腹に、ほかの幹部や誘われたクルーたちは乗り気だった。
「っつーかよ！ホンゴウも結構モテんだろ」
ヤソップは誰が勝つかを賭けるのは楽しみにしているが、既婚者なため参戦しないらしい。
その為完全にルウと司会者に回っている。
「ホンゴウか。足元掬われねぇようにしねぇとな」
スネイクも作戦を立て始める。
大人に見えてこういう勝敗のある戦いに負けたくない気持ちがあるのだろう。
「俺は参加しねぇよ」
「ンだよノリ悪ぃなぁ！
十二年前の歯抜け時代はアホみたいにナンパしてたのによ！」
十二年前。それはフーシャ村にいた時だった。
あの時は酒を飲んでばかりだったし、まだ四皇でもない中堅海賊だった上に
イーストブルーにいるという侮りと安心感からか今よりずっと気楽にアホをやっていけていた。
今となっても別にバカはやれるし、それを咎めてくる仲間はいないが、
四皇の船の船医で、新入りや幹部じゃないクルーたちの命を預かっているという責任感がホンゴウにはあった。
それに加えて今は心を乱されている。
好きな人がいる、なんてこの状況で言える訳がないが。
大海賊が恋煩いなんて笑い話だ。
そう思うからこそ、ホンゴウは争いのためのナンパで相手の心を乱す行為はあまりしたいと思えなかった。
「うるせぇやい！俺は大人なんだよォ」
「うるせぇ歯抜け！」
「今は全部生え揃ってるわ！」
「前のあほ面を今のクルーたちに見せてやりてぇくらいだ！」
酒に酔うとどこからともなく飛んでくるヤジに敏感になる。
ホンゴウは思わず手を出しそうになったが、彼女が見てる手前
クールでいたいものでギリギリのところで踏みとどまった。
「よしじゃあ参加したいやつ皆で勝負だ！
スネイク！次の島に着くのはいつだ！？」
シャンクスは仕切り直すようにジョッキを天に掲げた。
こうやって場を意識せずまとめれるところは船長になる天賦の才を実感させられる。
クルーたちは今の状況を楽しみながら抑えた彼を尊敬の眼差しで見ていたと共に、
たとえ何であっても勝てなそうだと思いほとんどがナンパ対決を棄権した。
「次の島に着くのはこのまな行けば二週間後だ。
それと着いたとしても対決できるくらいの女がいるかは保証しねぇぞ。
かなり小せぇから並の港さえ期待できねぇ」
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作者名：あみ | 作成日時：2022年10月12日 1時
