・ ページ7
「別にそんな探るようなことでもねぇだろ」
「いやァ、うちの船医様が悩んでるときちゃあ、
心配しねぇって訳にもいかねぇだろ」
そう言ってシャンクスは楽しそうに笑った。
別にホンゴウのことを心配していない訳じゃないし、
何かあったらフォローすることにはするのだが、
今回は別に深刻でもなんでもなさそうなので余計突っかかる。
「ま、人にゃ言えないことのひとつやふたつあるもんだろォ」
中々口を割らないホンゴウに少し飽き、酔いも冷めてきたのかヤソップがまた酒を飲みだした。
「そうだなァ。それよりお頭、それ俺の肉だぞ！」
ルウがいつも肌身離さず持っている肉をシャンクスに食べられ、嫌そうな顔をした。
「お前いっつもホンゴウには一口食わせてんだろ〜がよォ！
いいじゃねーか代わりに酒やるから！」
「そういう問題じゃねぇ！お頭が口つけると酒臭くてよォ！最悪だ！
お頭お前それ全部一人で食えよ！」
「おいルウそりゃないだろ！ヒデェな！」
シャンクスは抗議しながらも大きく豪快に笑っていた。
「仕方ねぇよお頭！アンタ、宴の前の昨日の夜からずーっと飲みっぱなしだ！」
「ンなこと言ったっておめェらだって全員酒くせぇオッサンだろ！」
「うわっ飛び火したァ！何とか返してくれよプレイボーイ！」
幹部たちがワラワラとベックマンを囃し立てる。
「よっ色男！」「女ったらしぃ！」「ヒューヒュー！」
うるせぇな、と彼が一蹴するとノリが悪いと大ブーイングを受ける。
「なんだァ言い返せねぇってことはベックマン、お前も結局酒くせぇオッサンじゃねぇかァ！」
ヤソップがすかさずそう煽ったが、「まァそうだな」という一言であしらわれる。
「ならよォ！誰が一番女にモテるか！やろうぜ！」
「それ結局ベックが無双するだろ！」
「それとお頭だな！ズルだぜアイツらァ！」
話が脱線しようが楽しければなんでもいいようで、
彼らは酒を飲みながら文句を言っている。
「新入りも幹部以外も全員含めてよ！
案外意外なやつがモテたりするからなァ！
ほら、ルウもよく話しかけられてんだろ」
「ふざけんなよヤソップ！俺は女得意じゃねぇ！」
「ってかルウはマスコットみてぇな扱いだよな！」
ホンゴウはあまり誰がモテるかを競うのに乗り気ではなかった。
決して負けるのが嫌だとかいうことではなく、他人の心を弄ぶのは良くないんじゃないかと思い始めたからだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あみ | 作成日時：2022年10月12日 1時
