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「おいガブ見るよコレ！」
ライムジュースがガブを小突いた。
「なんだ？」
またイタズラかと仕方なくガブが振り向くと、
そこには彼の大っ嫌いな虫がいた。
「カブトムシ！」
「うわっライムジュース！やめろよォっ！」
巨体と強面に似合わなく泣き目になるガブはつい手を出す。
ライムジュースの顔面にクリーンヒットすると、逆上する。
「っテメェ！ガブお前何しやがる！」
「ひっ！って、お前も結構悪いだろ！元はと言えば！」
また喧嘩が勃発する。
「なあライム。そのカブトムシ俺にくれ」
「仕方ねぇなァお頭！やるよ」
「へぇ、こりゃ結構デカイな。それと喧嘩は程々にしろよ」
シャンクスは子供みたいにライムジュースから譲り受けたカブトムシを眺める。
それにほかの幹部たちまで乗っかり、もう一匹見つけて戦わせよう！というノリになる。
天下の四皇が聞いて呆れるが、こんなことは日常茶飯事である。
「なあ見ろよホンゴウ！船体の後ろにもう一匹付いてたぜ！」
「中々の大物だろ。さっきスネイクとルウが頑張って取ったんだ」
「あとお前の武器の棒使わせてもらったぜ。虫取りに丁度いい」
ワラワラと大人に遊んだ内容を報告する子供かのように
いい歳をした大人が集まってくる様子に、ハッとしたホンゴウは嫌な顔をする。
しかし、ロマンである大きなカブトムシを見て少しだけテンションが上がる。
「……おおっ！前にベックマンと捕まえたやつよりもでけぇ」
「はァ！？お前ベックとカブトムシ取ったのか！？
ってかアイツも興味あるのかよ！」
「あ、やべ……。これ言うなって言われてたんだった」
ホンゴウは青い顔になる。
きっと次の瞬間副船長の拳骨が頭に落ちるだろう、と思ったが、
予想外の反応が返ってきただけだった。
「やーっと元に戻ったじゃねぇか、ホンゴウ」
全てを計画してたかのようにカラカラとヤソップが笑った。
「はァ？何がだよ」
しかしホンゴウには心当たりがない。
「お前最近元気ねェだろ？」
「だから俺とモンスターがさっき捕まえたカブトムシで素に戻したんだ！」
「つまりさっきお前の棒で船体の後ろについてたカブトムシ取ったのは嘘だ！
このカブトムシはずっと前から俺たちがこっそり育ててた！」
「ガブとライムの喧嘩もお芝居だぞっ」
「っていうかやっぱりおかしいぜホンゴウ。
お前がこんな茶番に騙されるなんておかしい」
いきなりの展開にホンゴウはいまいちついていけなかった。
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作者名：あみ | 作成日時：2022年10月12日 1時
