Sweet Heaven ~sorrowful dream~

12話 ページ13

ということで、勉強を教えてあげました。




数学が特にピンチだそうです。





「……裕真君は本当にバカなんですね
この程度の事も分からないなんて」


「……はぁ！？俺馬鹿じゃねえし！」



「あ、すいません、アホでしたね。
いや、本当にすいません、私は何という間違いをしてしまったのでしょう
一生かけて謝っても償いきれません」


「お前ひどっ！
俺はアホでもバカでも何でもねぇよ！！」


「……そうなんですか…お辛いことを聞いてしまって…

そうなんですね、貴方は地上からも天界からも見放された



……何でもないという存在だったのですね」



「ちげぇよ！そういう意味じゃねぇ！
何でも無いってのは…


ってそんな憐れみの顔で見るなｧｧｧｱｱｧｧｱ！！」




こんな具合に。



マシンガントークが繰り広げられながらも、
一応裕真君はちゃんと私の解説を聞いてくれました。
正直、説明しても「？」という顔だったので、


面倒くさくなってきました。





先生ってこんな気分なんですね。






私は絶対に先生なんかにはなりたくないです。




「おい…A、
お前の解説めっちゃ分かりやすいぞ、

生きてたら先生になれば良かったじゃねえか」






裕真君って








何なんでしょうか。









これには流石にイラッときました。



「……ってA！？
お前やめろ！
負のオーラ出すのやめろ！！！」





「お前にとり憑いてやろうか……？」






あ、いけません、キャラ崩壊です。

私が私じゃなくなってます。









「やめろｯ！

俺にとり憑くな！





ていうかお前天使だろ！とり憑けるか！

幽霊ならまだしも…」









「……体を乗っ取るぐらいなら出来ますよ？」









「え、ちょ…おま…









やめ…









ﾔﾒﾛｫｫｫｵｵｫｫｫｵｫｫｵｵ！！」









裕真君の断末魔の叫びが聞こえますが、
気のせいでしょう。









この後本当に裕真君の体を乗っ取って

街に出かけたのは言うまででもありません。

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