第84話 距離の時間 ページ42
カルマside―――
…またこの距離。
いつもより離れて座るA。
最近は更に距離が縮まったと思ったのに、
まさか逆戻り?
「もしかして、今朝のこと怒ってんの?」
それしか思い浮かばない。
告白しようとしたけど、
関係が崩れるのが怖くなって、
冗談で終わらせたアレ。
でも、それが理由じゃないらしい。
「じゃあ、隣り行っていい?」
そう尋ねれば、全力で拒否された。
…すっげぇダメージなんだけど。
「(こうなったら)」
もう許可を取らずにAの隣りに座った。
強行突破。
どんな反応をするか予想していたが、
俺の予想を遥かに上回り、俺は唖然とした。
赤い頬を緩ませて笑っている。
何それ。
反則じゃね?
「どーしたの、そんな嬉しそうな顔しちゃって」
「えっ…な、何でもない!」
「え〜、本トかな〜?」
あの時、冗談で済ませなかったら、どうなってたんだろう?
好きだよ。
そんな簡単な4文字で、
俺達の関係が壊れるかもしれない。
いっそ壊したい。
俺さ、Aのこと好きだよ。
冗談抜きで。
「カルマ君、また明日ね」
いつの間にかAの降りる駅に着いていた。
いつもなら見送るだけだけど、
「送るよ」
「えっ…」
Aの手を引いて電車を降りた。
後ろから「手!」と焦った声が聞こえたが、
たまにはいいでしょ、と笑って誤魔化した。
自分よりも遥かに小さな手。
何の口実もなしに繋げたら、幸せなのかな。
「…カルマ君、今日は変だね」
「Aにだけは言われたくないよ」
「…失礼だよ」
いつか壊れるであろうこの関係を、
今の俺は大切に思っている。
「A」
「なに?」
「このままどっか寄ってく?」
「私、金欠だけど…」
「奢ってあげるよ。今回はサービス」
「…甘い物、食べたいな」
「ん。りょーかい」
今じゃなくても、いつか―――。
.
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ミッキー(プロフ) - あけびさん» 私もこんな子をイメージして日々書いています(*´∀｀) (2015年4月14日 20時) (
レス) id: 72061eb485 (このIDを非表示/違反報告)
ミッキー(プロフ) - 蓮華さん» 光栄です(*´∇｀*)ありがとうございます！ (2015年4月14日 19時) (レス) id: 72061eb485 (このIDを非表示/違反報告)
あけび(プロフ) - お話面白いです！絵うまいですね(*^^*)こんな子をイメージして読んでいたので、作者さんの描写の上手さを感じました。尊敬します！頑張ってください (2015年4月12日 0時) (レス) id: 42d555bd8d (このIDを非表示/違反報告)
蓮華 - イメージぴったりで、ビックリしました♪羨ましい限りです (2015年3月20日 20時) (レス) id: 14f33ca9b8 (このIDを非表示/違反報告)
ミッキー(プロフ) - 蓮華さん» 皆様のイメージが崩れないか心配でしたが、そう言って頂くととてもありがたいです(ノ´∀｀*) (2015年3月20日 20時) (レス) id: 72061eb485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミッキー
| 作成日時：2014年1月16日 23時
