第78話 ページ35
渚side―――
「うぅ…」
「A、いい加減泣きやみなよ」
「だ、だって、ラスボスがヒロインの兄なんてっ…」
殺せんせー並みに号泣しているAちゃん。
映画が終わった後、隣りの彼女を見ると静かに涙を流しているものだから驚いた。
どっか悪いのかと思ったら、ヒロインに同調してしまっていたらしい。
感性が豊かなAちゃんらしいと言えばらしいけど。
電車を待っていると、
「渚君。今日は誘ってくれてありがとう」
はにかみ笑いを向けられ、僕自身も照れ臭くなった。
カルマ君が好きになる理由も、分からなくない。
…可愛いもんね、Aちゃん。
素直で、裏表がない。
話してみないと分からないこと。
1年の頃からクラスは同じだったけど、話す機会なんてなかった。
E組に来たから、今こうして普通に話せている。
E組に来たことは、決して悪いことばかりじゃない。
むしろ良いことばかりだ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿
電車の中。
この時間帯だと人も少ない。
「あーあ、寝ちゃったよ」
カルマ君の言葉で、カルマ君の隣りを見る。
Aちゃんはカルマ君の肩にもたれかかりながら寝ていた。
泣きつかれ…たのかな?
多分だけど。
「本トに、自由気ままだよね」
そう言いながらも、Aちゃんを見る目は優しい。
「カルマ君って、Aちゃんのこと相当好きだよね」
「お、唐突だね、渚君」
「見てたら何となく」
「んー、あながち間違いじゃないけど」
…カルマ君も意外と素直。
本人が熟睡してるからだと思うけど。
「付き合いたいとは思わないの?」
「追求するね〜」
「だって気になるじゃん。カルマ君のそういう話」
「…まあ、両思いだったらいーなとか思うかな。
正直、付き合っても今と変わんなそーだし」
「確かにね」
カルマ君の本音に苦笑いを返す。
告白とかしないのかって尋ねてみれば、
少し間を置き、「いつかは」と答えが返ってきた。
「てか急に何?もしかして渚君もAにハマっちゃった感じ?」
「ハマったって…、確かに可愛いとは思うよ。友人として」
カルマ君を敵に回したら怖いだろうし。
僕の言葉に安心したのか、笑みを浮かべた。
見た目だけでいくと2人は美男美女カップルなんだけど、
2人の中身を知ってるからか、僕の中での彼らは凸凹コンビだと思う。
…2人らしいけど。
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ミッキー(プロフ) - あけびさん» 私もこんな子をイメージして日々書いています(*´∀｀) (2015年4月14日 20時) (
レス) id: 72061eb485 (このIDを非表示/違反報告)
ミッキー(プロフ) - 蓮華さん» 光栄です(*´∇｀*)ありがとうございます！ (2015年4月14日 19時) (レス) id: 72061eb485 (このIDを非表示/違反報告)
あけび(プロフ) - お話面白いです！絵うまいですね(*^^*)こんな子をイメージして読んでいたので、作者さんの描写の上手さを感じました。尊敬します！頑張ってください (2015年4月12日 0時) (レス) id: 42d555bd8d (このIDを非表示/違反報告)
蓮華 - イメージぴったりで、ビックリしました♪羨ましい限りです (2015年3月20日 20時) (レス) id: 14f33ca9b8 (このIDを非表示/違反報告)
ミッキー(プロフ) - 蓮華さん» 皆様のイメージが崩れないか心配でしたが、そう言って頂くととてもありがたいです(ノ´∀｀*) (2015年3月20日 20時) (レス) id: 72061eb485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミッキー
| 作成日時：2014年1月16日 23時
