第76話 ページ33
カルマside―――
Aちゃんが挙動不審なのは、今に始まったことじゃない。
「…あのさ」
「な、何?」
「何か距離感じるんだけど」
帰り道。
いつもなら俺のすぐ横を歩くはずなのに、
今日はあからさまなほど距離をあけている。
近づこうとすれば、詰めた分だけ離れていく。
俺、何かしたっけ…?
「お、お気になさらずに」
「気にするって」
「………」
何でそこで黙り込む!?
「…あの、その、今更…だとは思ったんだけど」
「ん?」
「“赤羽君”って呼び方、止めようかな…なんて」
「へ?何で?」
俺が呼んでと言った際はあれだけ無理だと言ってたのに、
何の心境の変化だろう。
「みんなが普通に呼んでるから、いいなって思ってさ」
「…ヤキモチ?」
冗談まじりに訊いてみた。
それはないな、と自分では思っていたが、次の瞬間その考えは吹っ飛んだ。
「…うん」
……マジか。
あのAちゃんが、ヤキモチ?
その前にヤキモチ知ってたの?
てか、マジでヤバい。
絶対口元緩んでるし…、嬉しいって顔に出てんじゃん…。
「か、カル…マ…く、ん…」
「…あと少し」
「カルマ、くん…」
「もう一息」
「カルマ君」
「…ん」
ようやく呼べたと嬉しそうに笑った。
いつの間にか離れていた距離がいつもと同じぐらいまで縮まっている。
無意識なのだろうか。
何か、やられっぱなしって感じだなぁ…。
そこで俺は考えた。
「(呼び捨てで呼んでみよう)」
そうすれば、どんな反応を見せるのかな。
好奇心や悪戯心が相まって、俺は「A」と呼んでみた。
始めは驚いたように目を見開いていたが、
「何か新鮮。でも、嬉しい」とヒマワリのような笑顔が返ってきた。
…手ごわ。
「ふふっ、何か可愛い」
「付き合いたてなのかな?」
「でも、見るからに恋人って感じだよね〜」
「うんうん。私も青春したい!」
周りから見れば、俺たちは恋人同士に見えるらしい。
ふとAちゃんを見ると、顔を赤くしたまま固まっている。
アレ?
何か嬉しそう?
「(あー、自惚れちゃいそう…)」
もし両想いだったら、なんて。
この関係を壊したくなくて、俺から一歩踏み出せないでいる。
.
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 589人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミッキー(プロフ) - あけびさん» 私もこんな子をイメージして日々書いています(*´∀｀) (2015年4月14日 20時) (
レス) id: 72061eb485 (このIDを非表示/違反報告)
ミッキー(プロフ) - 蓮華さん» 光栄です(*´∇｀*)ありがとうございます！ (2015年4月14日 19時) (レス) id: 72061eb485 (このIDを非表示/違反報告)
あけび(プロフ) - お話面白いです！絵うまいですね(*^^*)こんな子をイメージして読んでいたので、作者さんの描写の上手さを感じました。尊敬します！頑張ってください (2015年4月12日 0時) (レス) id: 42d555bd8d (このIDを非表示/違反報告)
蓮華 - イメージぴったりで、ビックリしました♪羨ましい限りです (2015年3月20日 20時) (レス) id: 14f33ca9b8 (このIDを非表示/違反報告)
ミッキー(プロフ) - 蓮華さん» 皆様のイメージが崩れないか心配でしたが、そう言って頂くととてもありがたいです(ノ´∀｀*) (2015年3月20日 20時) (レス) id: 72061eb485 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミッキー
| 作成日時：2014年1月16日 23時
