第86話 ページ44
時間というのは、あっという間に過ぎてしまい、球技大会がやってきた。
「やー、惜しかった!」
「勝てるチャンス何度もあったよね!次リベンジ!」
「ごめんなさい…私が足引っ張っちゃった」
「そんなことないって、茅野さん」
「女バスのキャプテンのぶるんぶるん揺れる胸元見たら、
怒りと殺意で目の前が真っ赤に染まって」
「茅野っちのその巨乳に対する憎悪はなんなの!?」
確かに惜しかった。
いつも余裕の笑みを浮かべて見下しているA組の人達の驚いた顔。
何となくスッキリした気分。
…私も盛大に足を引っ張っちゃったけど。
「しかし黒ちゃんがドリブルしようとして盛大に転んだのにはビックリしたよ〜」
「そ、その話はしないで下さい!!」
ボールがきたからドリブルしようと前に踏み出した瞬間、
足元にボールが当たって体育館で盛大に転んでしまったのだ。
あの時は死ぬほど恥ずかしかった。
私の黒歴史に刻まれた出来事。
「さて、男子野球はどーなってるかな」
体育館から移動して、グランドの野球の試合に視線を注ぐ。
どうやら今のところE組が野球部に勝っているみたい。
だが、グランドにいる人物を目にして、ごくっと息を呑む。
「(理事長!?)」
野球部顧問が重病のため、理事長が急きょ指揮を執るというアナウンスが入った。
理事長は巧みな言葉で野球部のみんなに声をかけ、彼らの動きは見違えるように良くなった。
野球経験者の杉野君の活躍で何とか流れを持っていかれずに済んでいる。
そして2回の表。
「(か、カルマ君だ…)」
どうやるのか。
先ほど以上にドキドキと緊張してくる。
「ねーえ、これズルくない、理事長センセー?
こんだけジャマな位置で守ってんのにさ、審判の先生、何にも注意しないの?
一般生徒もおかしいと思わないの?
あー、そっかぁ。お前等バカだから守備位置とか理解してないんだね」
カルマ君の挑発に周りの生徒は野次を飛ばす。
きっと殺せんせーの策略だと思うけど、カルマ君だから様になる…。
「(みんな、頑張れ!)」
声援を送り、試合を見守る。
…しかし、理事長は苦手だな。
E組に来る前に声をかけられたことがあったけど、
『“医者の娘”である君に期待しているんだ。頑張りなさい』
気さくな笑みを向けられたけど、私は冷や汗を流していた。
支配者。
その言葉がピッタリくる人だとも思った。
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ミッキー(プロフ) - あけびさん» 私もこんな子をイメージして日々書いています(*´∀｀) (2015年4月14日 20時) (
レス) id: 72061eb485 (このIDを非表示/違反報告)
ミッキー(プロフ) - 蓮華さん» 光栄です(*´∇｀*)ありがとうございます！ (2015年4月14日 19時) (レス) id: 72061eb485 (このIDを非表示/違反報告)
あけび(プロフ) - お話面白いです！絵うまいですね(*^^*)こんな子をイメージして読んでいたので、作者さんの描写の上手さを感じました。尊敬します！頑張ってください (2015年4月12日 0時) (レス) id: 42d555bd8d (このIDを非表示/違反報告)
蓮華 - イメージぴったりで、ビックリしました♪羨ましい限りです (2015年3月20日 20時) (レス) id: 14f33ca9b8 (このIDを非表示/違反報告)
ミッキー(プロフ) - 蓮華さん» 皆様のイメージが崩れないか心配でしたが、そう言って頂くととてもありがたいです(ノ´∀｀*) (2015年3月20日 20時) (レス) id: 72061eb485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミッキー
| 作成日時：2014年1月16日 23時
