【暗殺教室】 頑張り少女の奮闘記*2nd*

第80話 ページ38

カルマside―――



ずしりと再び重くなった背。
完全に2度寝したな…。


「本ト、天然って怖ぁ…」


赤くなっているであろう顔を隠せずに、俺は呟いた。


Aの家が見えてきたが、いつもと様子が違う。
いつもは暗い家が、今回は明りがついていた。

インターホンを鳴らせば、案の定、Aの母が出てきた。


「あら赤羽君!久しぶりね!ま〜、身長も伸びて!
更に男前になった!よ、イケメン!」


Aの母に愛想良く話しかけられた。
人見知りをするAと違って社交的だ。

…酔っているのかと疑うくらい。



「Aは寝ちゃったのね…、ごめんね、迷惑掛けて」

「いえ。大丈夫です」

「…ふふっ」

「あの…」

「赤羽君みたいな子に好きになって貰えて、我が娘ながら幸せ者ね」

「っ…」


Aの言葉が直球なのは、母親譲りなのかもしれない。


「取り合えず中に入って」

「えっ」

「今日はお父さんも帰って来てるし、遠慮いらないわよ」


いや、さすがに遠慮するって…。

俺、Aのお父さんには会ったことないし。

流れ的に入らないといけない雰囲気なので、
Aを背負ったまま中に入った。

あ、両親が帰ってきてるなら起こした方がいいのか。



「A、帰って来たのか……と、君は?」

「Aさんのクラスメイトの赤羽業です。Aさんとは…」

「ああ!君が赤羽君か!」

「…はい?」



取り合えずAを部屋まで運び、
俺はAの両親と向かい合うように座った。


…何、この状況。




「君の話は娘から良く聞くよ。
学校のことを聞けば必ず君の名前が出てくるんだ」

「!…そう、なんですか」



何だよそれ。
俺のことばっか親に話してるってこと?
内容は知らないけど。


そんなの……期待しちゃうって。




「そ、その…、赤羽君は…えっと…」

「……?」

「Aと、付き合っているのか?」

「…いいえ」

「えぇ!!?そうだったの!!?私はてっきり…」



まあ、こんなに頻繁に家を出入りしてたら…。
疑われても無理もないか。



「A、口には出さないけど、
両親ともっと一緒にいたいって思ってます。

寂しがり屋で、甘え下手なんです。

ですので、出来るだけAと過ごしてあげて下さい」



言いたかったことは言った。



「…そうか。君は、Aを良く見てくれているんだな。
それが聞けて安心したよ。
赤羽君、娘を、宜しく頼む」


「…はい」









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