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タクシーに乗せられると、独特な車内の匂いが気持ち悪かった



泣きじゃくったせいか、アルコールのせいか嗚咽を漏らす私の頭を優しく撫でてくれるその手に


なぜだか懐かしさを感じて、このままずっとこうして居られたらいいのにとさえ思う


友だちの合コンに参加したら、元彼がいて、
動揺を隠すために飲めないお酒を躊躇なく流し込んで

我ながらあまりにだらしが無さすぎてまた嫌になるけれど、お兄さんの心地いい手に意識を手放してしまった







何となくシーツの冷たさを感じて、薄らと目を開けると
生活感のない部屋にいるのに気が付いて擦らずともぱっちりと目が覚める。







やってしまった、と






時刻を見ようとして傍の机に置いてあるスマホに手を伸ばすと同時に、自分の服がほとんど乱れていないことに気付く



見慣れたロック画面に表示されていたのは
4時16分とまだ随分早朝だった













ズキズキと痛む頭に眉間をしかめながら、恐る恐る寝返りを打つと視界のど真ん中に映る男の人の大きな背中に










「、、、、ぇ、、?」





と、アルコールと寝起きのせいで声にならない掠れた声が喉から漏れる。











見慣れた、というよりも昨日見たばかりの紛うことなき三ツ谷くんが隣で寝ていた。



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作者名:Anju | 作成日時:2022年8月13日 17時

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