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「Aちゃんの性格はちゃんと分からないから、共感してもらえるかわからないけど。元カノの話って思わず聞きたくなっちゃわない?」
三ツ谷くんに元カノいるの?とかどんな子だったの?とかそんなことを聞いたことは無かったけど確かにいるのかな?とふと思ったことは何度かあった気がする
「確かに、気になる気持ちはわからなくないです」
「タカちゃんにさ、元カノどんな子だったの?って聞いたことがあったの」
「、はい」
「まあ、タカちゃんの性格だからそんなに色々喋ってくれるはずもなくてさ。んーどうだろうねーって濁されちゃったけど、その時のタカちゃんの顔、私は見た事ない顔だったんだよね」
空になっているはずのお皿を眺めながら、私とは視線を合わせずに今カノさんはいう
多分、というかその元カノは私のことで。
「その顔みて、タカちゃんは本当に付き合ってた子が好きだったんだろうなって、」
三ツ谷くんが私に向けてくれる視線は、確かにいつも優しかった。三ツ谷くんが今カノさんにどんな顔をしているのか、私には分からないけれど
今カノさんの話を聞いて、胸の奥を掴まれた気分になる
「この間洋服屋さんで会ったでしょ?あの時も。同じこと思ったの。あんな優しい声で、私の名前を呼んでくれたことない。タカちゃんに聞く前に、きっとこの子が元カノだって、わかってたの」
「多分、三ツ谷くんは普通に呼んでくれただけで、」
そう言うと今カノさんはわかってないな〜と、少し鼻で笑われたように感じてしまう
「タカちゃんはさ、まだAちゃんに気持ちがあると思う。それはAちゃんもちょっと思ってたことじゃない?」
「…いや、それは、」
さっきから、今カノさんに振り回されてばかりだ。
三ツ谷くんがまだ自分を好きでいてくれてるかもしれない、何度か頭に浮かべてしまったことは確かにあった
"タカちゃんはさ、まだAちゃんに気持ちがあると思う"
それを、それを私に伝えてこの人は何をしたいんだろう
自分を落としてるようにも聞こえるその発言で、私をどう動かしたいのか。検討もつかずに今カノさんの話を聞くしか無かった
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作者名:Anju | 作成日時:2022年8月13日 17時