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S side
・・・目覚めは最悪。
昨日の衝撃的な出来事に、対応しきれないせいか
俺の頭はガンガンしていた。
一人うなだれてたら "コンコン" とノックする音。
そして
(O)「翔ちゃん、起きた？」
と顔を覗かす智くん。
(S)「えっ？あれっ？帰って来てたの？！」
頭を押さえながら聞くと
(O)「うん。翔ちゃんが帰ったの分からなかった。ごめんね。
服着たまま寝ちゃってたけど、大丈夫？」
と微笑みながら言う智くんに
俺は居たたまれなくなり、うつむいていると
(O)「ほら、翔ちゃん。シャワー浴びてきなよ。準備するから。」
突然の申し出に
(S)「へっ？何の？」
とスットンキョウな声が出た。
そしたら、智くんが
(O)「釣り行こう！つ・り！」
(S)「えっ？釣り？！」
俺は驚いた。
(O)「そう！さっき決めたんだ！外はいい天気だし、船長さんも船も捕まえた。
1時間半後に約束したから、30分で準備してね？」
(S)「・・・！！ちょっ、マジで？！急がなきゃ！！」
さっきまでの頭の痛さが嘘のように
身体は機敏に動き、心はワクワクしていた。
港に着くと前回同様、俺用に一式準備してくれる智くん。
智くんもルンルンで、それを見た俺も嬉しくなる(笑)
船上は静かだけど、潮風とか日差しとか、
潮の香りとか現実を忘れさせてくれて最高。
途中、休憩って言って定番の魚肉ソーセージと
智くんお手製のおにぎりが。
朝起きて作ってくれてたなんて知らなかったよ。
釣り上げた魚をその場で捌いてくれた。
新鮮な物って本当、感謝したくなるくらい美味いよね。
智くんは相変わらず、ずーっと釣りに夢中。
俺はやっぱ "何時間も" ってのは続かず(笑)
船長と話したり、座って智くんをボーッと眺め
"幸せだな〜"と感じたりしていた。
でも、ゆったりな時間を過ごせば過ごすほど、
どうしても昨日の事を思い出す。
"幸せ" と "申し訳なさ" とが、心を行ったり来たりして
一人葛藤してた。
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作者名：ともちん | 作成日時：2017年2月16日 20時
