PRINCE OF LEGEND ～Love Royale～ (ページ17)

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幸いどこも怪我をしていなかったので保健室の先生は職員会議へ行ってしまった

奏『危ない目に合わせてしまい申し訳ありませんでした』

A『そんな！朱雀さんのせいじゃないですから！』
慌てて否定すると側近の2人が口を挟んだ

誠一郎『奏のせいじゃない、この女がフラフラしていたせいだ』

元『ええ、奏様がお心を煩わせる必要はありません』
((すごい嫌味な気がするけど…

奏『いえ、僕が呼び止めなければこんなことには…』
奏『でも顔に傷がつかなくて本当に良かったです』

A『！？』
顔に伸びてきた綺麗な手に思わず驚く

奏『長谷川さん、これからよろしくお願いします』
身動きが取れずにいると豪快に保健室のドアが開いた

奏&A『！？！？』

尊人『ん？』
入ってきたのは京極兄だった

尊人『保健室で密会とはやるじゃねえか、セレブのくせに』
からかうような言葉に朱雀さんの顔が曇る

奏『下衆な勘繰りはやめてください』
2人の間の空気がピリつく

((この2人って元々知り合い…？』
昼間、廊下で会った時も知り合いのように見えた

怪訝な顔をした私に気がつき、朱雀さんが笑顔を取り繕う

奏『それでは家までお送りします』

A『いえ大丈夫ですから！1人で帰れます！』

奏『そうですか？』

誠一郎『奏、大丈夫だ。行こう』
私の代わりに久遠さんが答えて朱雀さんをドアへ促す

奏『それでは、また』
朱雀さんは一礼して側近たちと保健室を後にし、京極尊人と2人きりになる

((き、気まずい……
空気に耐えきれず保健室を出ようとすると尊人が消毒液を取った
上着を脱ぐと腕にうっすら血が滲んでいた

A『ケガ…してるんですか？』

尊人『大したことねえよ、他校の奴らとちょっとケンカの相手しただけだ』

A『よければ手当てしましょうか？』

尊人『いいのか？』

A『利き手でやりにくそうだし』

尊人『んじゃ頼むわ』
素早く消毒してガーゼを巻く

尊人『おい、』

A『はい？』

尊人『このこと竜とアイツには言うなよ』

A『アイツ？』

尊人『さっきここにいたアイツだよ』
((朱雀さんのことか…

A『いや、言いませんけど手当てして脅されるとは思いませんでした』
思わず嫌味をこぼすと尊人は目を丸くした

尊人『確かにな、悪い』
((あれ、意外と素直？？

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