ただいまおかえり (ページ7)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:57,137 hit

社員食堂ページ7

食堂へ行くと同じ部署の同僚
平野が1人で生姜焼き定食を頬張っていて

イケメンはやっぱり目立つなと思いながら向かいの席に座った

『おつかれー』

「おう、お疲れ！ハンバーグにしたの？ひと口頂戴」

『あ！まだ食べてないのにー！』

「うめー！どっちにするか悩んだんだよね。
ラッキー！俺ついてるわー」

『はいはい』

「生姜焼きもいる？はい、あー」

そう言って差し出す平野の方が大きな口を開けながら
生姜焼きの乗ったお箸が近づいてくる

『いらないよ！恥ずかしいからやめて』

「え！こんなに旨いのに！？ほら早く！」

周りの視線が痛い

この恥ずかしさから早く解放される為に仕方なく
口を開けパクッと食べた

「うまいっしょ？」

『うん』

平野は満足そうな顔をして再び食べ始めた

さっきまで平野をハートの目で見てた周りの若い女の子たちは今度は私のことを目を細めて見ている、いや正確には睨みつけている。

座る席、完全に間違えたな

外のカフェや定食屋によく一緒に行っていたから何も思わなかったけど、食堂で一緒に食べるのは辞めよう

敵は作りたくない。

お互いにほとんど食べ終わり

「午後から会議だりーなー」『それなー』
とどうでもいい会話をしていた時

「てかAその書類なに」と

先程、医務室で貰ってきた薄い紫の封筒を見ていた

『あーこれ、再検査に行けって。健康診断の結果がさ基準値超えてるのがあって』

「え！！！再検査？なに、A死ぬの！！？」

『はい？勝手に殺さないでよ』

「でも心配じゃん！いつ！いつ行くの？明日？」

『有給申請しないといけないから早くても来週かな』

「は？ダメダメ！こう言うのは早く行かないと！
来週から企画動き出すし忙しくなるから無理だよ。今週中に行っときな！確か明日は誰も休暇取ってなかったし！」

慌てすぎて声が大きくなる平野に、まーまー落ち着いてと言いながら

確かに来週は厳しいよな～と考えていた

『後で櫻井部長に相談してみる』

「うん、そうしな」

『ご馳走様でした』
「ごちそうさまでしたー」
『ふっw』「ぶはっw」

2人同時に手を合わせ思わず笑ってしまう

『さぁ仕事戻ろ～』
「お腹いっぱいで眠いわ～」

その後、会議であくびを我慢する平野と何度も目が合いまた笑ってしまった。