ただいまおかえり (ページ27)

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コーチページ27

『コーチってあの髭のおっちゃんじゃなかったっけ』

玄「それは去年までだよ。もう歳だから岸コーチに交代したの」

『岸コーチって、あの人野球出来るの？』

玄「うん、子供の頃からやってたらしくて上手いよ」

玄「それにチームからの人気も凄くてさ！半年も経ってないのにもう監督候補だよ」

『へー凄いね』

近くのベンチに座って自販機で買ってあげたアイスを頬張る玄樹

玄「もしかして姉ちゃん、惚れた？」

『ゲホッ！！！』
タイミングばっちりか食べてたアイスが器官に入ってむせこんでしまった

玄「そうかー。でも岸コーチは辞めた方が良いよ」

うんうんとひとりで頷いている弟に

『どうして？』と聞かずにはいられなかった

玄「父兄からの人気が凄くてさ、特にママさん軍団が岸コーチの彼女って誰とか好きなタイプはとかすごい噂してる。差し入れもすごい量もらってるし。
そう言えば昨日も夜遅くに女の人と歩いてたって～」

昨日の夜、、、もしや家まで送ってもらったとき？

確かに数台車は通っていったけど

田舎の噂は広まるの早いなと感心してしまった

玄「ほら見てあれ」

『ん？』

玄樹が食べ終わったアイスの棒で差す方を見ると

さっきの話に出てきた通りママさん軍団に囲まれている岸くんがいて

帰る準備万端なのに帰してもらえないまさにそんな感じだった

『うわー大変だねあれは』

玄「でしょ～。あんな人の彼女なんて心配が絶えないよ」

『確かに』

姉弟で哀れんだ目でその光景を眺めていると

バチっと人混みの中の岸くんと目が合ってしまった