ただいまおかえり (ページ26)

今日:11 hit、昨日:19 hit、合計:57,163 hit

グラウンドページ26

グラウンドは山のちょっと上がったところにあって

学生たちは歩いて上がったり
自転車を漕いで行ったりするが

私の歳には厳しいし
ましてや激しい運動は控えるようにと先生に言われていたので

車で向かうことにした

駐車場につくと数台車が停まっていて

週末だからか家族が結構来ていた。

山の上で涼しいと言えど直射日光は嫌だから

なるべく影を探して見学することにして

『お！玄樹だ！がんばれー』

背番号1を着けてバッターボックスに立った背中に念を送っていると

2球目でカキーンとバットの音が響き渡った

玄樹が打った球は左中間を抜け

一塁へと走り一塁の子は二塁で止まった

すごい！ヒットだ！帰りにアイス買ってあげよう！

その後の打席も好調で

玄樹のチームが圧勝した。

「「「あざしたっ！！！」」」

キャップを取って礼をする彼らのもとへ近づけば

玄「あ、姉ちゃん来てたの？」

玄樹が気付いてくれた

『うん水筒持ってきたよ』

玄「ありがとう！ペットボトルの飲み干しちゃって」

『玄樹すんごいかっこよかったよ！』

玄「ほんと？姉ちゃん来てるの知ってたらもっと頑張ったのにな～」

そう言いながらニコニコする弟が可愛くて

思わずぎゅうぎゅうと抱きしめてしまった

玄「辞めて～汗臭いし、泥ついちゃうよ～」

『恥ずかしいからじゃないんだ？可愛いなもう！』

さらにきつく抱きしめようとしたとき

玄「コーチ！お疲れ様でした！」

満更でもなかったはずの玄樹がパッと離れて一礼した

私も続いて礼をしてコーチを見ると

『え、コーチ？？？』

いくらこの町は狭いとは言え昨日から顔馴染みになりすぎでは

優「お疲れさっした～」

野球のユニホームを着た岸くんがいた