ただいまおかえり (ページ11)

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帰省ページ11

休養を取って3日目

お正月ぶりに実家へ帰省することにした

いつ帰るとも決めず
取り敢えず数日分の着替えとパソコンを持って

ガヤガヤした都会から数時間
地元の駅に着くと静かなところに虫の鳴き声だけが響いていて

スーーハァーーー！っと思い切り深呼吸をする

昔はこの何もない町が嫌いだったのに
今はこんな町もたまにはいいな～と思えるようになった

駅のロータリーに居ると
一台の車が近づいてくる

「Aー！迎えにきたよ」

『あ！お姉ちゃん！わざわざありがとう！』

「いいよいいよ、リュウも保育園で暇してたし」

『リュウ元気？早く会いたいなー』

そのまま姉が運転する車で実家へと向かった

途中、国道から少し上の道に
綺麗な一軒家が建っていて

あれ、前に通った時あんな家あったっけ？
最近建ったのかと流れる景色を眺めていた。

「お母さーん、ただいまー！A来たよー！」

田舎だからどんなに大きな声を出したって誰にも迷惑はかからない

姉が玄関から家に向かって叫ぶと

バタバタと奥の居間から母が出てきた

「おかえり！待ってたわよ」

そう微笑む母の顔をみて
久しぶりに母に甘えちゃおう
ここでゆっくり休養しようそう思えた

『ただいま！心配かけちゃってごめんね。大した事は無いんだけどこの機会にゆっくり休もうと思って』

「うんうん、なんも気にせんとゆっくりしたら良いんよ」

それからリビングでお土産のお菓子を食べながら
女3人あれこれ話し込んでいたら

「あ、いけない！リュウのお迎えの時間だ！私帰るね！」

と姉は車で颯爽と帰って行った。

母に少しお昼寝するわと言ったもののなんだか寝付けず、外も涼しそうなので実家の愛犬ポチの散歩へ向かう事にした

この辺もコンビニやらスーパーやら
ちょっとずつ便利な店が増えてきたな

そんな呑気な事を考えていたら突然

ポチが全速力で走り出した

『ポチ！待って！』

老犬だと思っていたのにどこにこんな元気が！

ポチが走る速度を緩めたので
ハァハァとあがる息を整えながら前を向くと

「わ～ポチ！久しぶりだね～！元気だった？」

とポチを抱きしめる20代前半くらいの男の子が居た。