JUMP_病系小説(案) (ページ3)

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それは慧が誘拐されてから7年後(慧が15歳になった年)の冬だった。突然家にかかってきた警察からの電話。それは慧に似た男の子が病院に搬送されてきたというものだった。4人はすぐに病院へ行った。慧は生きていた。しかし足に大怪我をしていた。心は誘拐された8歳のまま。身体も大きくなっていて顔つきも少し大人になっていたが細すぎた。医者には栄養失調や貧血などの症状とともに、精神状態についても話された。兄弟に対しては何故か甘えたり自分の気持ちを伝えたりできるのにほかの人に対しては拒否反応を起こしてしまうとの事だった。足の怪我は治ったが後遺症が残った。4人は慧が帰ってきてくれたことが本当に嬉しかった。話を聞くと慧はずっと狭い倉庫のようなところに監禁されていたらしくそこにはテレビと布団くらいしかなかったという。そのテレビで慧は雄也のことをずっと観ていた。だから慧は長年会えていなかった兄弟であったにも関わらず兄弟だけには拒否反応が出なかったのだ。ご飯は1日1回小さなパンと週に1回渡されるペットボトルの水だけだった。慧は幼い心と頭ではあったがいつしか帰りたいと思うようになりどうしたら帰れるかをずっと考えていた。暴力を振られるわけでもなく何もされないまま7年が経って宏太たちに電話があったあの日。慧を誘拐した犯人(AとB)は喧嘩をしていた。そしてBがAを殺してしまった。Bは慧を逃がした。もともとの喧嘩の原因は慧を解放したいBとしたくないAの意見の対立だったらしい。解放された慧は外に出されたがそのすぐあとに銃声が聞こえた。つまりBは自殺した。慧は怖くなった。出された先の外は森の中だった。どこに向かえば良いのかわからずとりあえず近くにあった車が通れるくらいの道をずっと歩いた歩き続けて半日たったころ、やっとアスファルトの地面が見えた。慧はそこで意識を失った。偶然通りかかった人が通報してくれたという。それから慧が退院したのは1ヶ月後のことだった。

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