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【JM】 ページ10

心に空白を抱えたまま過ごしていた俺に、ある日意外な人物から連絡があった。


SJ「ジミナ!今新しい家政婦の件でジチョルさんと話してるんだけど…なんかお前に代わってって」


ジチョル社長はAが以前勤めていた会社の社長で、セジニヒョンとAの昔からの知り合いであり、Aの元彼だった。


JM「はい…お電話代わりました…ジミンです」


JC「やぁ、久しぶり。君と会って話したいことがあるんだけど時間作れるかな?直近で空いてる時間教えて。会いに行くから」


ジチョル社長が会いに来るって…


俺達と同じかそれ以上に多忙な人がどうしてそこまで…。


俺はなんとなく話の内容を察して、遅い時間にはなるが今日会うことにした。







JM「こんばんは」


待ち合わせ場所に行くと、もう既にジチョル社長は来ていた。


JC「こんばんは」


にこやかに挨拶を返してくるジチョル社長。


相変わらず渋くて落ち着きがあって、男の俺から見てもかっこいい。


JC「ジミンくんがAと付き合ってたんだね」


いきなりそう切り出すジチョル社長。


JM「…えぇ、まぁ。もう別れましたけど…」


JC「セジンから聞いたよ。まぁお互い納得の上だったらいいんじゃない?付き合ってたら色々あるよ」


JM「…はい…」


JC「でも、どちらか、あるいは両方が納得しないで別れるのはよくない。ましてやAが辛い思いをしているとしたら、俺は君を許さない」


俺を真っ直ぐ見据えながらそう言うジチョル社長。


JM「…っ!俺だって!…俺だって、ずっとそばで守っていたかった…」


でも…俺といることで、Aを苦しめてしまう。


また前みたいに、俺のそばにいることで怖い思いをさせてしまうかもしれない。


だから俺は、納得できなくても別れる提案を受け入れた。


それが、俺がAを守れる唯一の方法だから。


そう思ったから。


JM「…Aは、きっと大丈夫です。振られたのは俺の方ですし…」


JC「君は、本気でそう思っているの?」


初めて見るジチョル社長の鋭い眼差しだった。
 



思ってるわけ…ないだろ。


会議室で別れ話をした時のAの顔が、今でも鮮明に思い出せる。


瞼に焼き付いて離れない。


あんな顔、させたくなかった。


俺は黙ったまま首を振る。


そんな俺を見て、ジチョル社長はにこやかに言った。


JC「それなら話は早い。俺はAが笑顔でいるためなら、どんなことでもするよ」

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作者名:よぞら | 作成日時:2022年1月27日 14時

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