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PD「じゃあ、結論が出たら教えてください。どのようなコメントを出すにしろ、事務所としては全面的にバックアップします」
パンPDは私の目を見ながら言って、セジンさんを連れて会議室を出て行った。
私は指先が急激に冷えていくのを感じる。
パンPD達を見送った時に立ち上がった時の状態のまま、何も言えずに立ち尽くす。
JM「A?」
心配そうに私を見るジミンさん。
パンPDが言いたいことはわかっていた。
私は一度深呼吸をしてから、言った。
「ジミンさん、別れよう」
大きく目を見開くジミンさん。
JM「なっ!?どうゆうこと!?」
「認めたらジミンさんが積み上げてきたものが全部無くなっちゃう。だから今私達の関係を公にはできない。否定するしかないよね?でも実際は付き合ったままだったら、ファンの人達に嘘をつくことになる」
JM「そうだけど…でも!」
私の腕を掴むジミンさん。
私はジミンさんの手をそっと外す。
「ジミンさんはファンを欺くことなんてできない。そうでしょ?」
JM「A…」
「BTSが大好きで、ストイックで、でも周りには優しくて感謝の気持ちを忘れない、ARMYをすごく大切にしてる…そんなジミンさんが私は好き。だから…正々堂々と否定しよう」
私は泣きそうになるのを必死で堪えて笑顔で言う。
今は絶対に泣いちゃだめだ。
JM「でも…別れるなんて…他にきっと方法があるはず…」
「ううん。この方法以外じゃきっと何かしら誤魔化すことになる。ジミンさんにはそんな状態でBTSとも、ファンの人達とも向き合って欲しくない」
JM「ちょっと待ってよ…俺が…何とかしてみせるから!」
必死になってくれるジミンさんを見てると、私の心は揺らぎそうになる。
だめ…。
「それに…私も辛いんだよね!デートも出来ないし、宿舎でも他のメンバーにも気を遣わなきゃいけないし…正直、もう疲れちゃった!」
JM「え…」
悲しそうな顔になるジミンさん。
私は見ていられなくなり目を逸らす。
「私もいい歳だから将来のことも考えたいし…きっと潮時だったんだよ!だから…お願い…別れて。それで動画のことはきっぱり否定しよ。その方が私もすっきりする」
ジミンさんの顔は見ずに、一気に話す。
「…そうゆうことで…パンPD達にも伝えておいて。私、今日まだ仕事出来てないから…もう行くね!」
そう言って席を立つ。
「…今までありがとう、ジミンさん」
私は逃げるように会議室を後にした。
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作者名:よぞら | 作成日時:2022年1月27日 14時