【JM】 ページ16
結局、Aは地元に帰った。
近くにいたら会いたくなってしまうから。
会ってしまったら、ずっとそばにいたくなってしまうから。
そうやって気持ちが抑えられなくなるってわかってるから、と。
あの日、空港で会って以来、俺達は一度も会っていない。
今俺達を繋いでいるのは、毎日俺からする連絡と、お互いを想う気持ちだけ。
だからお互いの気持ちが離れて行ったら、俺達の繋がりはなくなる。
でも、Aは待つと言ってくれた。
俺が、周りの皆が、ARMYが納得できるタイミングまで。
それがいつなのかは、今はわからない。
もしかしたら全員が納得するタイミングなんて来ないのかもしれない。
それでも、待つと言ってくれた。
強くて、優しくて、愛しい人。
会うことは出来なくても、俺の想いは変わらない。
待たせることに罪悪感がないわけじゃない。
でも俺は、BTSのジミンあってこその俺だから。
メンバーが、スタッフが、ARMYがいるからBTSのジミンとして生きていられる。
だから俺は支えてくれる皆を大切にしながら、Aがいないこの場所で全力で生きていく。
それが俺が積み上げてきたものを守ろうとしてくれた、Aの気持ちに応えることになるって信じてる。
必ず迎えに行くから。
それまで、Aは待っててくれると信じて。
俺はBTSのジミンとして走り続ける。
○年後…。
JM「すみません運転手さん！急げますか？今日妻との記念日なんです！日付が変わる前に帰りたいんです！」
運転手「えっ！そうなの！？早く言ってよ〜！飛ばすよ！」
JM「お願いします！」
運転手さんにお礼を言ってタクシーを降りたと同時に駆け出す。
運転手「今のって…BTSのジミンだよな？……幸せそうで何よりだ！」
玄関まで一気に走り、一瞬立ち止まって呼吸を整えてからドアを開ける。
JM「A！」
玄関を開けるとAが立っていた。
「おかえりなさい、ジミンさん」
笑顔のAがいる。
大好きなAの笑顔。
帰って来た。
俺の帰る場所に。
Aはずっと待っててくれた。
いくら感謝してもしきれない。
前にそのことを伝えたら、私が待ちたいから待ってただけだよって笑ったA。
俺はこの先、一生かけてAを幸せにする。
俺はAを抱きしめながら言った。
JM「ただいま、A。待っててくれてありがとう」
〈おしまい〉
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作者名：よぞら | 作成日時：2022年1月27日 14時
