【JM】 ページ11
JC「Aがうちの会社を辞めてからしばらくは連絡を取ってなかったんだけど…まぁ告白されて振った相手だし、Aとしても連絡しづらかっただろうからね」
そう言って苦笑いするジチョル社長。
JC「辞めることになって急遽代わりの家政婦をお願いしたいって、久しぶりに連絡してきたんだ。会って理由を聞いたら君とのことを話してくれてね」
JM「Aは…何て?」
さっき見た眼差しは気のせいだったのかと思うほど、ジチョル社長は穏やかな表情で話す。
JC「君に迷惑を掛けてしまったと、申し訳ないと言ってたよ。自分は付き合うべきではなかったんだと…」
JM「そんな…」
俺は胸が締め付けられるような痛みを感じる。
やっぱり、俺はAを苦しめていただけだったんだ…。
そばにいることで幸せを感じていたのは、俺だけだった。
Aはいつも俺のことを、心配して、気遣ってくれていた。
だから、本当に疲れていたんだ…。
俺は目を伏せる。
でも、次にジチョル社長が話した言葉で、俺は更に胸が締め付けられた。
JC「…それに、こうとも言っていた。…幸せだったと。君のそばにいられて、今まで生きてきた中で一番幸せな時間をもらったと…そう言って、本当に嬉しそうに笑ってたよ」
A…。
JC「悔しいけど…Aがあんなに幸せそうに笑うの、初めて見たよ。あんな笑顔にできるのは、君だけなんだろうな。だから、君に覚悟があるなら、僕は手を貸すつもりだ。僕はAからあの笑顔を引き出すことは出来なくても、他に出来ることはたくさんあるからね」
そう言ってまた余裕を感じさせる穏やかな口調で話すジチョル社長。
JC「…A、地元に帰るつもりだよ」
え?
Aが…地元に帰る?
ソウルから出ていくってこと?
JM「そんな…!」
JC「地元に帰って働き口探すって言うからさ、うちの関連企業紹介しようとしたんだけど頑なに断られちゃって。自分のことは自分でどうにかするって。Aらしいよね〜」
衝撃で何も言えない俺に、ジチョル社長は続ける。
JC「来週発つと言っていた。もう本当に君とは会わないつもりなんだろう。さっきも言ったように、俺は手を貸すつもりはある。君次第だけどね。君は、どうする?」
俺は…。
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作者名:よぞら | 作成日時:2022年1月27日 14時