【男主】その男、個性:絶頂！！【ヒロアカ】 (ページ29)

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なんとも、こんなところまで上手くいかない。

寝よう寝ようと目を瞑るが一向に眠くならないし、それどころか自己嫌悪に頭を回してどんどん目が冴えてくる。

一回戻ろうかな。

そう思って立ち上がると同時に扉が開いた。そこから出てきたのは、蛙吹梅雨だった。

梅雨ちゃん!!

心の中で歓喜の声を上げつつ、平静を装う。

ここで変な態度を取ってしまえば、貴方には梅雨ちゃんと呼ばれたくないと言われかねない。せっかく漫画の登場人物と仲良くなれるかもと思っていたのが全て水の泡だ。

「あら、次のお相手よろしくね」

「よ、よろしく。蛙吹さん」

「よそよそしいわね、梅雨ちゃんと呼んで」

真ん丸お目々で見つめられて、そんなことを言われて少しドキっとする。

漫画で見たときはそこまで思わなかったけど、こうして目の前にするととても可愛い女の子である。

この世界に来てからも、前の世界でも、女っ気が全くなかったためにこういう女性に免疫がない俺の心臓は爆発寸前。

「つ、つ、つゆ……つ、梅雨ちゃん、さん」

若干濁し気味で名前を呼ぶことができたものの、そんな俺の顔を見てふふっと笑うあす、梅雨ちゃんに謎の羞恥心が湧く。

「Aちゃんはかわいいわね」

「え」

急な下の名前呼びと、かわいいという言葉に思考停止。

そんなことを考えているうちに、梅雨ちゃんは訓練場に向かうようで一緒に行くことにした。

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梅雨ちゃんと別れた後、切島と瀬呂と合流する。

作戦会議では考えていた通りで、俺たち敵(ヴィラン)チームは瀬呂が“核兵器”守り、切島が前衛を張る感じらしい。

俺の個性は使用条件が限定される爆発とだけ伝えたため、俺は切島の補佐で、すぐに駆けつけられる中階層にいる伏兵だ。いわばお荷物。

今からでも入れ替わって、どうにかしてほしい。

一回も個性を使ったことがないのに。

さっきの梅雨ちゃんで癒された心臓が再び痛みだす。

本当に、なんで眠れないんだ。

そしてついに。

屋内対人戦闘訓練開始

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