帰る場所 (ページ14)

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意外と話せる【YG】ページ14

今日の俺はすこぶる気分がいい。

いや、俺だけじゃなくメンバー全員がそうだ。

なにせ今日はこの数ヶ月間なかった丸1日オフの日。

マンネラインの3人は揃って買い物に出かけるみたいだ。

ナムジュンは美術館、ホソクとジンヒョンは家族のところで過ごすらしい。

俺はというと、宿舎から出るのも面倒くさいのでのんびり曲作りをして過ごすつもりだ。

メンバーやセジニヒョンからはたまには外に出ろと言われるが、こっちの方が好きなんだからしょうがない。

朝からずっと部屋で作業をして、昼過ぎに腹が減ってキッチンに行くと、Aさんがいた。

YG「こんちは」

食材を整理している後ろ姿に声を掛けると、気づいてなかったようで一瞬ビクッとして
「…お疲れ様です」と返してきた。

「いたんですね」

あぁ、そうか。

朝から部屋に籠もってたから気づいてなかったのか。

YG「なんか食うもんある？」

ちなみに俺は面倒くさいのでAさんへの敬語を早々に放棄した。

本人はそれでいいって言ってたし。

「ストックは用意してますけど…せっかくなんで何か作りましょうか？」

家政婦さんがいるのに作り置きを食べるのも味気ないのでお願いすることにした。

10分もかからないうちに温かい料理が出される。

「簡単なものですけど」

頼まれてすぐぱぱっと作れるってすごいよな。

YG「いただきます」

モグモグ…

YG「……うまい」

気になっていたようで俺の言葉を聞いてちょっと笑った。

それからまたストックするおかずの料理を始めるAさん。

お互い何か話すでもなく、俺はごはんを食べながらただ料理する音を聞いている。

なんか…居心地がいい。

実家にいる時みたいだ。

食べ終わって食器を片付けながら話しかける。

YG「今は何作ってんの？」

「トッポッキです」

YG「あ、俺それ好き」

「この前ジンさんが教えてくれたんです、皆さんの好きな食べ物。だから一品ずつ作ろうと思って」

ジンヒョンとそんな話したのか。

なんだかんだで皆打ち解けてってるんだよな。

俺なんてまともに話したの今日が初めてじゃないか？

YG「作り方教えて」

気づいたらそんなことを口走っていた。

Aさんは一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに笑顔になって「いいですよ。材料はですね…」と説明を始めた。

自分でも意外だったけど、なんか自然と話せちゃうんだよな…この人。