ヨンタン【TH】 ページ36
今日は俺が一番早い退勤になった。
ヌナにヨンタンを預けていたから、早く帰って一緒に遊ぼうっと!
「ただいま〜!」
あれ?
返事がない。
この時間なら宿舎にいるはずなのに…。
リビングに入るとヌナがソファーで寝ていた。
尻尾を振って駆け寄ってくるヨンタン。
あぁ、たぶん一緒に寝ちゃったんだな。
ヌナが寝ている横に座る。
俺が座ってソファーが沈んだことで、ヌナが背もたれに預けていた頭が俺の方に傾く。
俺は体勢を調整してヌナを支えるようにした。
ヨンタンが俺の膝にのってきたので撫でてやる。
「タナはいいね。ヌナに愛されてて」
不思議そうに見つめてくるヨンタン。
身体の片側だけヌナの体温を感じる。
ヌナは俺が抱きついてもいつも身体を固くする。
こんなに身体を預けてくれるのは寝ている今だけだ。
やっぱり見込みないのかな…。
今じゃメンバーも皆ヌナのこと大好きだ。
ヌナが他の誰かのものになったら、俺は耐えられるんだろうか。
他の誰かに取られるくらいなら…。
TH「ヌナ…」
「……。テヒョンさん…!?わぁっ!ごめん!寝ちゃった!」
目を覚ますヌナ。
ヌナの声にびっくりして俺の膝から降りるヨンタン。
「あっ!ごめんタナ!ビックリさせちゃっ…」
俺はヌナの身体を引き寄せて抱きしめる。
「…テヒョンさん…」
まただ。
また、身体を固くするヌナ。
TH「ごめん…ヌナ。お願い…今だけ。ちょっとだけ…」
こんな言い方したらヌナは拒否しないだろう。
俺は卑怯者だ。
「テヒョンさん…」
遠慮がちに、ヌナの手が俺の背中に添えられる。
それと同時に、ヌナの身体の固さが和らいでいくのを感じる。
あぁこんなにも…好きな人に触れられるって幸せを感じるんだ。
幸せなのに泣きそうになる。
俺は縋りつくようにヌナをぎゅっと抱きしめた。
「…テヒョンさん。私はテヒョンさんには幸せになって欲しいって思ってる」
俺に抱きしめられたまま諭すように言うヌナ。
「私なんかのこといつまでも待たないで。素敵な人と、幸せな恋愛してほしい」
またそんなこと言うの?
TH「嫌だ。俺はヌナがいい」
俺がそう言うと、ヌナは身体を離して俺の目を覗き込む。
「テヒョンさんにはもっと相応しい人がいるよ」
…俺もそうだけど、ヌナも大概頑固だ。
俺は伝わらない気持ちをどうにかわかってほしくて、ヌナにキスをした。
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作者名:よぞら* | 作成日時:2021年12月1日 14時