やってしまった ページ14
温かくて大きな手が私の頭を撫でている。
この手は一体、誰？
目を閉じたまま虚ろな意識で考える。
…セジンさん？
私の頭を撫でる手つきはとても優しくて
なんだかすごく安心する。
その温もりが心地良くて、私はまた眠りについた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ジャージャーという聞き慣れた水を流す音。
誰かが食器を洗っている。
自分以外の誰かがキッチンに立って何かをしている音って、なんでこんなに落ち着くんだろう。
そんなことを呑気に考える。
ん？誰かが食器を洗っている……？
。。。
マズい!!
ガバっと起き上がって音がするキッチンを見る。
そこにいたのは…
「ジミン…さん」
JM「あ、ヌナ…目、覚めた？」
「す、すみません！私…寝ちゃったんですね」
あれ？そう言えばさっき誰かに頭を撫でられていたような…夢…だったのかな。
そして唐突に寝る前に酔っ払って醜態を晒していたことも思い出す。
「私！なんてお見苦しいところを…」
JM「しーっ！しーっ！」
ジミンさんが人差し指を口にあてるジェスチャーをしてから、私の向かいのソファーを指差す。
そこにはテヒョンさんが寝ていた。
私は起き上がって、キッチンのジミンさんの所へ行って小声で話す。
「すみませんでした。片付けやります」
JM「あ、ヌナまた敬語」
「あっすみま…じゃなくてごめん。。」
JM「酔っ払ってた時はタメ口だったのに。あとヌナ謝ってばっか」
そう言って意地悪そうに笑いながら、水のペットボトルを渡してくれる。
「ありがとう。…でも醜態晒した上に歓迎会してもらってる身で途中で寝ちゃってごめん。。最低だね私…」
我ながら呆れる。
JM「だいぶ酔いは冷めたみたいだね。ジンヒョンはさっきまで手伝ってくれてたんだけど…他の皆は結構前に部屋に戻ったから、もう寝てるんじゃないかな」
片付けをしながら既にいない皆のことを説明してくれるジミンさん。
「あの…なんでテヒョンさんはソファーに？」
JM「ヌナのこと心配で離れられなかったみたい」
なんだかとても悲しそうなジミンさん。
JM「ヌナがセジニヒョンのこと泣きながら話してそのまま寝ちゃったから、テヒョンはずっとそばに付き添ってたんだよ。俺が言ってついさっきあそこに横になったんだ」
そうだったんだ…。
てことはやっぱり頭撫でられたのは夢じゃなくて…テヒョンさんだったのかな？
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作者名：よぞら* | 作成日時：2021年12月1日 14時
