再会 ページ45
翌日、数カ月ぶりの会社に来ていた。
懐かしいなぁ…。
ここに普通にOLとして毎日出勤してた頃もあったんだもんなぁ。
それが今じゃ世界的アイドルの宿舎の家政婦だ。
オフィスで部長や同僚に挨拶して世間話をした後、社長室に通される。
「お久しぶりです。社長」
JC「久しぶり。元気にしてた?」
少し下がり気味の目尻と上がった口角、そしてこの落ち着いた話し方で柔らかい雰囲気を纏っているのが我社の社長、コン・ジチョル氏だ。
「おかげさまで。社長もお元気そうで何よりです」
JC「俺はAが秘書してくれてる時が1番元気だったよ」
「またそんなこと言って。自分で何でも出来ちゃうくせに」
実際凄くやり手だった。
今はうちの会社の社長をしているが、他にもコンサルや商社、飲食店を運営している経営者一族の息子で、他数社の役員も掛け持ちしている。
そしてジチョルさん、実は私とセジンさんが学生の頃からの長年の付き合いである。
ジチョルさんが経営している飲食店に私達がバイトとして入った時に知りあった。
私が今の会社で総務部配属になり、秘書として働いている時も、2世という立場に甘んじることなく、仕事熱心で勉強家で、社員からの信頼も厚かった。
JC「相変わらずつれないなAは。ま、そこが良いんだけど」
そして、根っからの女たらしだ。
本人もこの通りの言動だし、もともと整った甘い顔立ちだし、最近ではそこに大人の渋さも加わり、そりゃもうおモテになっている。
生まれてこの方女性に困ったことはなく、困らな過ぎて未だに所帯を持つ気はないらしい。
相変わらずなジチョルさんに半分感心しつつ、半分呆れつつ、私は今回の海外出張について説明した。
話を聞き終え、出張の承諾をしてくれてからまたジチョルさんが話し出す。
JC「Aを海外まで同行させるとはね…。今回の顧客とはだいぶ上手くやってるみたいだね」
「はい…大変なこともありますが、楽しく過ごさせてもらってます」
JC「セジンからも聞いてるよ。長年連れ添った自分よりも懐かれてるって嫉妬してたぞ。ぜひその青年達にもお会いしたいものだよ」
そう言って1枚の紙を渡してくる。
見てみるとジチョルさんが役員をしているうちの親会社の創立記念パーティーの企画書だった。
JC「今年は彼らも招待することにしたから」
そう言ってニッコリと微笑んだ。
はい?
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作者名:よぞら* | 作成日時:2021年12月1日 14時