【オリジナル】運命というものは

幼馴染み ページ7

Aside


「直哉？あの……」

直哉「好きなのか？あいつのこと」

「え？あいつって…誰のこと？」


そんなことを言う直哉に私はそう返すが、ホントはなんとなく分かっていた。

それなのにこんなことを言うのは、我ながらズルいなぁ…と思う。

でも、仕方ないの。

だって、さっき振られたばっかりだから。

戻れなくなる、そう言われたから。

だから…好きだ、って認められないんだ。


直哉「だから、それは……あ"ー！」

「！？」


辛そうに言っていた直哉が急に大声を上げ、思わず驚いてしまった。


直哉「やっぱダメだ！こんなこと言うのはガラじゃねぇ！」

「な、直哉？」

直哉「まあ1つ言えることは俺は素直なんかじゃねぇから。俺がただ…むしゃくしゃしただけなんだよ」

「むしゃくしゃ、って？」

直哉「……今はいいんだよ、分かんねぇでも」


そう言って直哉は乱暴に私の頭を撫でた。


直哉「おら、着いたぞ」

「あ、う、うん…」

直哉「じゃあな、また明日」

「うん、また明日」


そう言って私が家の中に入ろうとすると、直哉は「あ」と声を上げた。


直哉「明日から一緒に学校行かね？」

「え？」


直哉の突然の提案に私はまた戸惑う。


神野『俺に、恋愛する資格なんて無いんだよ』

「……」


私は少し考えて、ゆっくりと口を開いた。


「いいよ」


そう言う私は我ながら最低だと思った。

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