雨の中天使を拾った【羽宮一虎】

9 ページ9

朝出掛ける支度をしていると俺のケータイにメールが届いた。

場地「誰だ?」

確認すると一虎からでこんなことが書かれていた。

一虎『アジトに例の女の子を連れてはいくけどいくつかお願いがあって
1.大声とか苦手だからあまり大きな声で喋らないこと
2.喧嘩とかも絶対にしないこと
3.表情に一番気をつけること特に場地とドラケンな?』

場地「余計なお世話だ!」

続きには絶対にやってはいけないことも書いてあった。

一虎『体を触ったりとか、彼女の生い立ちについては絶対に触れちゃダメ…何か事情があるみたいで聞くと怯えるから…これは全員に伝えておいて』

場地「そこまで大事なんだな…そのガキのことが」

ーーーーーーーーーーーーー
一虎「よし…」

俺はバイクを道において彼女を振り返る。

一虎「バイクは怖くない?」

そう言ってエンジンをかけるといきなりの音に肩をビクッと震わせる。

一虎「……怖いなら歩く?」

そう聞くと小さく頷く。

俺はバイクを元のところに戻し彼女に手を差し伸べる。

一虎「行こう…人多いから迷子にならないように手つなごう?」

貴方「……っ」

一虎「嫌だ?つなぎたくない?」

貴方「…ぁ」

一虎「つなぎたくなったら言ってね?いつでもいいから」

笑顔で言って前を向くと彼女は俺に抱き着いた。

一虎「どうした?」

彼女は何も言わずに後ろから抱き着くだけだ。

一虎「じゃあ、自分で歩くのと俺が抱えていくのどっちがいい?」

貴方「ては、ゃだ」

一虎「わかった…おいで」

しゃがんで手を広げると素直に抱き着いてくる。

彼女を抱き上げるとやはり見た目よりも軽くて心配になってくる。

ーーーーーーーーーーーーー
場地「だからそういうことらしい」

？「なんで俺と場地が同じ扱いなんだよ」

俺の目の前で呆れてるドラゴンの刺青を入れてるのが副総長の龍宮寺堅、通称ドラケン。

その近くでどら焼きを食べてるのが総長の佐野万次郎、通称マイキー。

後ろで事の成り行きを見守る銀髪のは三ツ谷隆。

そして俺の横で今か今かと到着を待つ薄い黄色の髪のコイツは松野千冬。

千冬「場地さん、いつ来ますかね?」

場地「別にここにいてもいいけどあまり騒ぐなよ?」

千冬「了解です」

そして千冬のそばには最近になって入隊したばっかの花垣武道もマイキーに呼ばれ同席している。

三ツ谷「それにしても約束の時間なのに来ないな?」

武道「約束の時間って」

三ツ谷「9時40分って本人が言ったんだろ?」

場地「あぁ，間違いねぇ」

10→←8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す