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翌朝目を覚ますと隣にいたはずの彼女がいなくなっていた。

もしかして目を覚ましてどこか行っちゃったなんてことないよな

部屋を出ると机にはホットミルクとハムエッグトーストが用意されていた。

一虎「これって…」

彼女は今まで料理をしていたらしくこっちを振り返り怯えた表情で洗い物をしていた。

一虎「もしかして…朝ごはん用意してくれたの?」

彼女は自信なさげに頷いた。

すると彼女は昨日と同じようにメモにこう書いた。

『かってなことしてごめんなさい、おこりますか?こんなめいわくなことしたら』

一虎「いつもは怒られたの?」

貴方「……」

一虎「そっか…ありがとう、すごく美味しそう」

とびきりの笑顔でそう言うとあまり動かなかった表情に少しだけ動きが見れた。

どうやら意外なことだったらしく一瞬だけ笑ったのだ。

一虎「っ…(何、今の笑顔…超可愛いじゃん)」

しかしよく見ると俺の分は用意してあって彼女の分はなかった。

一虎「キミは?朝ごはん用意しないの?」

貴方「っ…」

一虎「あまり食欲ない?」

『そうじゃない…わたしもいっしょにたべていいんですか?』

一虎「……もちろん!当たり前じゃん」

『いままでかぞくとしょくじをしたことないから』

そのメモに書かれる真実に俺は胸を痛めた。

こんな子どもに食事を与えてないなんて…本当にそれは家族といえるのか?

一虎「そうだ」

俺は食器をもう一組用意して彼女が作ったハムエッグトーストを半分に分けた。

一虎「一つの物を2人で分け合うってすごく美味しいことなんだよ?」

貴方「??」

理解できないような顔するのが可愛くて俺は向かい側の椅子に座るように促す。

彼女は半分に分けたハムエッグトーストを一口かじった。

貴方「……ぉぃしぃ」

一虎「ね?言っただろ?」

笑いかけると彼女は頷きつつも涙を流す。

貴方「……うぅ」

一虎「どうした?」

貴方「…ふっ…うぅ…」

俺は優しく彼女を抱きしめて髪の毛を撫でる。

一虎「大丈夫だから…教えてよ…キミの涙の訳をさ、嬉しいのか悲しいのかだけでも」

貴方「ぅれしぃ……」

一虎「そっか…楽しいことを一つ覚えるきっかけになったね?」

彼女は小さく頷き俺の腕の中で涙を流し続ける。

少しづつではあるが彼女は言葉を紡ぐようになってきた。

彼らと接することで誰かと話すことは楽しいって自然と笑顔になれるってことを知ってほしい。

彼女が泣き止むと俺は場地に1通のメールを送った。

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プーさん大好き(プロフ) - まろんさん» この作品を手に取ってくださりありがとうございます!最高と言ってくださり嬉しいです!まさかの視聴中にお母様に見つかるというハプニングは驚きですね。少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです! (3月16日 20時) (レス) id: 6c625ad537 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - 最高ですね! ずっとニヤニヤしながら見てたら母にキモいって言われました、、、。 名前を琥珀にしてたら奇跡が起きてました!! (3月10日 16時) (レス) @page12 id: b28ed1b9a8 (このIDを非表示/違反報告)
プーさん大好き(プロフ) - sakuraitigoさん» この作品を手に取ってくださりありがとうございます!続編の希望嬉しいです!展開が決まり次第作りますね。一虎くん推しなんですね!見つけてもらえて嬉しいです! (1月29日 9時) (レス) id: 6c625ad537 (このIDを非表示/違反報告)
sakuraitigo - 推し(一虎くん)が尊いし、優しいしで最高でした!!!!できれば、続編お願いしたいのですが、よろしいですか? (1月28日 23時) (レス) @page50 id: 4f24649060 (このIDを非表示/違反報告)
プーさん大好き(プロフ) - いちご丸さん» この作品を手に取ってくださりありがとうございます!大切な人に優しくできる心は誰にでもあるというのをこの作品では挑戦しました。今過去編も作っているのでこの作品と合わせて読んでいただけると幸いです。 (9月1日 22時) (レス) id: 6c625ad537 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:プーさん大好き  | 作者ホームページ:http  
作成日時:2023年4月19日 0時

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