14 ページ14
一虎「とりあえず、上がる?」
場地「邪魔するわ」
2人で家に入るとちょうど彼女が部屋から出てきた。
一虎「大丈夫?」
そう聞くと前にふらついたのを支える。
一虎「ちょっ……さっきより熱上がってるじゃん」
抱き上げてもう一度ベッドに寝かせる。
一虎「うなされてたけど……1人で寝れる?」
何も言わずに俺のことを見つめ続けている。
一虎「寝るまで側にいようか?」
場地「お前、甘甘だな」
その時彼女が俺の手を握ってきた。
一虎「こうやって手握ってたら寝れる?」
優しく問いかけると彼女は目を瞑って眠り始めた。
場地「また眠ったな」
一虎「…さっきはさずっとうなされてんだよ」
場地「なんて言ってた?」
一虎「それは…」
貴方「ゃめて……」
場地が彼女の顔を見る。
貴方「ぃたぃよ……こわぃ……」
一虎「まただ……」
貴方「もぅ……ゃだ」
場地「マイキーたちに話すか?このこと」
一虎「もう少し様子見したい……彼女が自分の生い立ちを話すまでは」
俺が手を握られて動けない代わりに場地が彼女の額に乗せたタオルを水で冷やして再度乗せる。
場地「おい、コイツ大丈夫か?」
一虎「さっきは家族の人たちに止めてって言ってた」
場地「その家族たち見つけて殴るか」
一虎「でも、どんなところにいるかも知らない人を殴るのはちょっと…」
場地「だから探すんだよ!」
彼がそう言ったとき彼女がゆっくりと目を開けた。
一虎「おい…場地が大きい声出すから起きちゃったよ」
場地「お前さ…悪夢見たときはめっちゃ喋るのな?」
貴方「っ……」
一虎「場地……」
場地「普段もそんくらい喋ったらいいのに…何か理由でもあんのか?」
一虎「あまり聞くなよ」
場地「悪夢に見るくらいだ、家族のこと誰かに知らせたいんじゃねぇの?助けっていうか」
一虎「止めてくれって!」
俺は彼女が握る手に力を込めて怯えているのに耐えきれず大声を出してしまった。
場地「一虎……」
一虎「あまり彼女を追い詰めないでよ……ただでさえ熱出して具合悪いのに……俺まで辛いよ」
場地「悪い……今日は帰る」
それだけ言って場地は俺の家を出ていく。
一虎「ごめん大声出して……もう少し寝る?」
貴方「………」ﾌﾙﾌﾙ
首を横に振る。
彼女にメモ帳とペンを渡すとこう書いた。
『さっきのひとのいうとおりです、だれかにたすけてほしいとおもってました、ずっと…たたかっていたんです』
彼女の琥珀色の瞳がまた静かに揺れていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
プーさん大好き(プロフ) - まろんさん» この作品を手に取ってくださりありがとうございます!最高と言ってくださり嬉しいです!まさかの視聴中にお母様に見つかるというハプニングは驚きですね。少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです! (3月16日 20時) (
レス) id: 6c625ad537 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - 最高ですね！ ずっとニヤニヤしながら見てたら母にキモいって言われました、、、。 名前を琥珀にしてたら奇跡が起きてました！！ (3月10日 16時) (レス) @page12 id: b28ed1b9a8 (このIDを非表示/違反報告)
プーさん大好き(プロフ) - sakuraitigoさん» この作品を手に取ってくださりありがとうございます!続編の希望嬉しいです!展開が決まり次第作りますね。一虎くん推しなんですね!見つけてもらえて嬉しいです! (1月29日 9時) (レス) id: 6c625ad537 (このIDを非表示/違反報告)
sakuraitigo - 推し(一虎くん)が尊いし、優しいしで最高でした!!!!できれば、続編お願いしたいのですが、よろしいですか？ (1月28日 23時) (レス) @page50 id: 4f24649060 (このIDを非表示/違反報告)
プーさん大好き(プロフ) - いちご丸さん» この作品を手に取ってくださりありがとうございます!大切な人に優しくできる心は誰にでもあるというのをこの作品では挑戦しました。今過去編も作っているのでこの作品と合わせて読んでいただけると幸いです。 (9月1日 22時) (レス) id: 6c625ad537 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
