83．不振な顔 ページ23
「どうした？大丈夫！？」
声の主は血相を変えて俺達の元へ飛んできた。
「ま…松潤…」
俺の後ろからニノの身体を支えてきたのは、紛れもなく松潤だった。
その瞬間に俺の方も力が入らなくなって、ニノは松潤に任せてぺたんと床に座り込んでしまった。
「おい、ニノ！？しっかり…！まさか…」
松潤は少しニノの身体を揺すっていたが、反応が返って来ないのを確認すると、ニノの首筋に手を当てる。
「ばっかやろ…」
少しイラ立ったように舌打ちする松潤。
「松本さん、さっきの件ですが…」
その時、マネージャーが松潤に用があったらしく楽屋に入ってきた。
「マネージャー、悪い！急いで医者呼んでくれねぇ？」
既に気を失っているニノをソファにゆっくり寝かすとマネージャーに指示を出す。
「ええ！？医者ですか！？え、二宮さん？わ、わかりました…！」
血相を変えた松潤の表情と、その傍らでぐったりと目を閉じているニノを見て状況を察したマネージャーは、バタバタと楽屋を出ていった。
「13時か…」
松潤は腕時計を見て呟いた。
…
程なくしてドームに医者が到着し、マネージャーに案内されて楽屋に現れた。
医者はニノの脈を測ったり、聴診器で胸の音を聞いたり診察をしていたが、俺達の状況…つまり3時間後にコンサートを控えている事を知ると、厳しい表情を浮かべた。
「風邪を拗らせてしまったようで、熱が高いのと少し肺の音が気になります」
「風邪？ニノ風邪なんて引いてたっけ」
医者の言葉に、松潤は不振に思ったのか片眉を上げる。
「き、昨日の夜…実は俺、廊下で遭遇して…その時にはもう熱があったんだよね…」
俺は横のソファに腰掛けながらボソボソと話した。
…ひょっとして昨日のうちから医者を呼ぶべきだったのか…？
そう考えると心臓がドキドキ鼓動を早める。
冷や汗が背中に伝い、俺はぶるりと身震いした。
「そうなの！？」
松潤は俺の方に向き直り、驚きの表情を浮かべる。
「ってことはリハの時も調子悪かったんじゃ…そんな素振り全然見せなかったけど…」
腕を組んで考え込む松潤。
俺はもしかして取り返しのつかないことをしてしまったんじゃ…
自分の手が小刻みに震えているのがわかった。
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ゆり(プロフ) - 殿堂入りありがとうございます！ちょっと今多忙のため書けていないのですが、また書けるような状況になればマイペースでやっていきます。 (2023年1月14日 23時) (
レス) id: b873b779d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - 有々さん» 初めまして。コメントありがとうございます！お話考えるの楽しいですよね(*´▽｀*)いやいや、つたない文章力ですよ；；でもそう言って貰えて嬉しいです！これからも頑張りますね♪ (2020年6月5日 20時) (レス) id: 6bf700fe74 (このIDを非表示/違反報告)
有々(プロフ) - ゆりさまお初めまして 楽しんで読んでます 私も話考えてたりしますがゆりさまの文章力流石です これからも密かに応援してますね (2020年6月5日 19時) (レス) id: f803019846 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - つきんこさん» お待たせしてすみませんでした！やっと更新できました〜( ；∀；) (2020年1月11日 23時) (レス) id: ebcf7c4801 (このIDを非表示/違反報告)
つきんこ(プロフ) - 楽しみにしてます！！ (2020年1月6日 18時) (レス) id: c1d22a47af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆり
| 作成日時：2019年9月7日 23時
