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ホストクラブの次の日
私は朝から大きな音を立てて家の中を走っていた
使用人に止められようと、お母様に怒られようと
二階の大部屋に居る人に会う為に
バァーン!
「ハァハァお婆ちゃん!」
「ドアは静かに開けること」
「あ、ごめんなさい...」
「貴方いくつになったの?そろそろ落ち着きなさい」
この落ち着いた雰囲気を醸し出している上品なご老人は私のお婆ちゃん
SAKURAブランドの創設者だ
「あ、あのねお婆ちゃん。ドレスを作って欲しいの」
手を後ろに回してモジモジしながら本題を話す
「どんな?」
読んでいる本から目を離さず私に問う
「この写真の様なドレスで花は椿」
写真を差し出すとやっとお婆ちゃんはこちらを見る
「あら?この写真随分昔のじゃない?」
「うん…」
そうこれは私が子供の頃の写真
「このドレスが一番好きだったの...」
12年前あの事故の日
あの日は色んな意味で忘れない日になった
───────
「いいなぁ美尊ちゃん」
「どうしたの?」
椅子に座って不貞腐れてる私に尊氏くんが話しかけてくれた
「美尊ちゃんいつも色んなドレス着てていいなぁって」
「Aちゃんのそのポピーのドレス素敵だよ?僕は好き」
「でも!私は白を着たかったのにママがクリスマスだからって。前も白は美尊ちゃんと被っちゃうからって」
「Aちゃんは白が好きなの?」
「うん!花嫁さまみたいで綺麗でしょ?」
「あー確かにとても綺麗だね」
ふわっと風が吹きそうなほど爽やかか笑みを浮かべる
きっとこの時から好きだったんだと思う
「う、ウエ…何ドレスだっけ...?」
「ウエディングドレス」
「そー!それ!そーゆーのが着たいなぁ」
「僕は赤とかそういう色を着ているAちゃんが好きだよ?」
「えー...でも」
「赤色は元気で笑顔がとっても似合う可愛い子のイメージがあるんだ。だからAちゃんにぴったりだよ?」
「え、た、尊氏くん」
可愛いって尊氏くんに言われた...恥ずかしい
困ってる私を違う意味で捉えたんだと思う尊氏くんは続けた
「でも、もしAちゃんがどうしてもウエディングドレスを着たいって言うなら...
ぼ、僕が着させてあげる」
真っ赤な顔の尊氏くんが真剣な目で見てくる
「え、その…私も尊氏くんが良い...」
今にも消えかかりそうな声で言う
周りから見ればとても微笑ましい思い出だ
でも今はとても残酷な思い出
.
─尊氏さん。貴方はこの約束、覚えていますか?
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ka.(プロフ) - 合格おめでとうございます!尊氏がかっこよすぎて、きゅんきゅんしてます。これからも続き楽しみにしているので、頑張ってください。応援しています! (2018年2月14日 1時) (レス) id: 732c0bc2d5 (このIDを非表示/違反報告)
えれふぁんと(プロフ) - 私立合格おめでとうございます!更新すごく楽しみにしてます! (2018年2月14日 0時) (レス) id: f83f63e183 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - 茅洸さん» あ!本当だ...お恥ずかしい、、修正しときます!コメントありがとうございます (2018年2月11日 7時) (レス) id: 4ba029c7a0 (このIDを非表示/違反報告)
茅洸 - また続けてのコメントですみません...。 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2018年2月11日 2時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
茅洸 - 続けてのコメントですみません(>_<) これにが抜けてませんか? 正しくはイケメンと幸せにではないんでしょうか? (2018年2月11日 2時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみれ | 作成日時:2018年2月2日 14時