#＿29(修正) ページ32
｢信じてよ｣
俺がそう言うとAは一瞬怯んだ
─その一瞬だけでいい､つけ込む隙があれば
｢な､尊氏さん…！｣
そのか弱い､簡単に折れてしまいそうな腕を強めに握る
｢騙されるな…あのホスト､堂島旺太郎はただ権力が欲しいだけだ｡期待を持たせるだけ持たせてすぐに捨てられる…Aがそんな目にあうのは嫌なんだ｣
｢ﾌﾌｯ｣
予想外な笑みを浮かべるAに対して目を見開いた
｢尊氏さんに言われたくないです､その言葉｡そのままお返ししますよ｣
｢…？｣
｢美尊の権力が欲しくて結婚するのも､期待を持たせるだけ持たせて捨てるのも尊氏さんじゃないですか｣
｢…！｣
─なんで､なんでそんな事…
｢尊氏さんが何を思って私に期待させたのかは分かりませんが…好きでもないのにそういう事しないで下さい｡私が傷付き易いのは尊氏さんが一番分かってるでしょう？｣
─違う､違う違う
｢違う､なんでAはｯ僕の気持ちを分かってくれないんだ｣
─僕はこんなにも好きなのに
｢尊氏さん…？｣
｢船の上でした約束も全て覚えてる､君が花で気持ちを伝えていた事も分かってる…！｣
─僕のものにするには無理やりしかない…？
─────────
─尊氏さんが約束を覚えている…？
ﾊｯと気が付けば手に黒い薔薇が握らされていた
─これって…！！
｢これが僕の気持ち…｣
そう言って尊氏さんは私の首元に頭を埋めた
ｶﾘｯ
｢ぃｯ！｣
首筋にピリッと痛みが走った後しばらく何をされたのか頭がついていかなかった
─なに！？なにっ！？
身体を小刻みに震わせながらその厚い胸板を叩いた
｢な､何したの…｣
｢俺のモノだって印｣
そう言いながら顔を上げた彼の瞳は
｢ひっ…！｣
底なし沼のように深かった
｢やだっ！｣
力任せに彼を突き飛ばしたつもりだが彼は少し下がっただけだった
｢何が嫌なの？｣
｢た､尊氏さんはこんな事しない！｣
─私の知っている尊氏さんはもっとやさ､
｢君の尊氏って？｣
｢え…？｣
｢ 妹思いで､優しくて､何でも出来る､君の好きな尊氏？そんな理想の俺なんて居ない！これが本当の俺だよ｣
｢…｣
｢黙って父さんの言いなりになって､脇役のまましぬのなんてゴメンだ｣
｢脇役って…｣
｢それとも､絵本に出てくる王子様の方がいいか？
なら僕じゃ無理だよ｡二人を守る騎士でしかいられない｣
｢尊氏さん…｣
.
｢…そんな僕は嫌い…？｣
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ka.(プロフ) - 合格おめでとうございます！尊氏がかっこよすぎて、きゅんきゅんしてます。これからも続き楽しみにしているので、頑張ってください。応援しています！ (2018年2月14日 1時) (
レス) id: 732c0bc2d5 (このIDを非表示/違反報告)
えれふぁんと(プロフ) - 私立合格おめでとうございます！更新すごく楽しみにしてます！ (2018年2月14日 0時) (レス) id: f83f63e183 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - 茅洸さん» あ！本当だ...お恥ずかしい､､修正しときます！コメントありがとうございます (2018年2月11日 7時) (レス) id: 4ba029c7a0 (このIDを非表示/違反報告)
茅洸 - また続けてのコメントですみません...。 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2018年2月11日 2時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
茅洸 - 続けてのコメントですみません(>_<) これにが抜けてませんか？ 正しくはイケメンと幸せにではないんでしょうか？ (2018年2月11日 2時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみれ | 作成日時：2018年2月2日 14時
