深いため息 ページ8
近藤「あっ・・あの・・さっきの話なんですけど・・。」
別れ際
時間を確認する私に
近藤さんが、遠慮がちに話しかける。
A「はい、何ですか？」
近藤「・・・もし、よかったら
俺、・・・選んでもいいんだけど。」
A「ん？・・何を選んでくれるんですか？あっ、ごめんなさい。」
バッグの中で携帯が鳴って
「あっ・・」という、近藤さんの言葉を遮る。
1人じゃないことに、警戒心のなくした私は
誰からの電話かも確かめないまま
携帯を耳に当てる。
A「もしもし。」
大祐「あっ？A。よかった・・電話出てくれて。」
・
・
その耳に残る声は
私の心臓を一瞬止めて、深いため息と共に
A「だいちゃん・・・。」
昔から呼びなれている、名前を言う。
電話口を押さえて
近藤さんに何度も会釈し、
「じゃ、明後日」と言い手を挙げる横顔を見送ると
大祐「夢実が、Aに会いたがってるんだけど忙しいよな。
やっぱ、ピアス返すんじゃなかったな・・・って
本当は、俺がAに会いたいんだ。」
外灯がパッと光り始めて、
困惑した表情の私が、ショーウィンドウに映される。
A「ごめんなさい。
私ね、これから買い物に行かなきゃいけないの。」
大祐「・・・そっか、
忙しい時にごめんな。でも・・明日会えないかな。」
A「・・・無理だよ。会えない。」
大祐「明日さ、夢実の保育園でお遊び会なんだ。
夢実がAに来て欲しいって言うんだよ。
明日、木曜だから幼稚園休みだろ？」
A「ダメだよ。私、ママじゃないんだよ？」
大祐「夢実もそれはわかってると思う。
でも、他の友達にはママがいてさ・・ただ、呼びたいだけだと思うんだ。
頼むよ。」
・
・
ママの仕事が忙しくて、お遊戯会の時・・
１人、教室の隅で泣いている園児の様子が、脳裏を掠める。
・
・
A「・・・だいちゃん・・・。考えさせて。」
そう言って、電話を切ると
私は、コートの襟のファーを立てて
白い息の中
複雑な心情を抱えて
セレクトショップに向かった。
ラッキーアイテム
革ベルト
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菜乃花(プロフ) - 初めまして♪読ませていただきました！よければ、菜乃花の小説も覗いてやってくださいｗらんさんより遥かに下手ですが・・・ (2011年7月16日 20時) (
レス) id: 70593e6d80 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - はじめまして☆すごく素敵な小説でした^^私も最近、書き始めたんですが中々うまく書けなくて悩み中です(ｐω-)勉強になりましたありがとうございました！ (2011年5月14日 23時) (携帯から) (レス) id: c2a9417148 (このIDを非表示/違反報告)
美佳(プロフ) - らんさんにみてもらいたいです。僕は、子供に恋をした。二宮和也さんメインです！ (2011年3月10日 21時) (携帯から) (レス) id: d17a204d47 (このIDを非表示/違反報告)
香穂(プロフ) - らんさん、久しぶり(^o^)／最近来れなくてごめんなさいm(._.)mでも来ないうちに凄い…殿堂入りおめでとう(≧∇≦)これからも頑張ってねo(^-^)oずーとずっとらんさんの事応援してましｯ☆ (2011年3月1日 2時) (携帯から) (レス) id: bef3f38606 (このIDを非表示/違反報告)
チャパ(プロフ) - すごくおもしろいです！文章もおしゃれでやさしくて素敵です！毎晩寝る前に読んできゅんきゅんしてます(*^□^*) (2011年2月26日 20時) (携帯から) (レス) id: 0750166d3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らん
