あの頃のすれ違い ページ31
大祐「熱いから、気を付けて飲めよ？」
A「ありがとう。」
手渡しされたココアを受取り、
ベンチ式のオープンカフェで、だいちゃんと隣通しに座る。
大祐「やっぱ、相変わらずなんだな。」
A「何が？」
大祐「猫舌。・・昔から、だよな。
よく、こんな時期の部活帰りに、
缶コーヒーとココア・・こうやってのんだじゃん。」
A「そうだね。あの時もだけど・・今日もおごってもらちゃった。」
大祐「これくらいね？・・・俺さ、なんで冬の帰り道に
毎日Aにココア・・おごってたか知ってた？」
A「・・・私が、ココア好きだったからじゃないの？」
大祐「それはもちろんそうだけど・・・
Aが飲むの・・遅いからだよ。」
A「・・えっ？」
大祐「それだけ、俺・・・Aと２人っきりで居たかったんだ。」
・
・
だいちゃんが、私の髪に触れて
冷たくなった頬をそっと撫でる。
あまりにも・・自然に触るから警戒心を溶かした
私は優しい瞳で見つめられて・・瞬きを忘れる。
大祐「あの頃から、もっとこうやって素直になれればよかったのにな・・。
一時の感情で、カッとなってさ
ほんと・・子供だったよ、俺。
Aはさ、・・・そんな俺だったから大学の事言えなかったんだろ？」
A「だいちゃん・・・一生懸命希望の学部に入ろうと頑張ってたから
私、邪魔したくなかったの。」
私が、だいちゃんに・・・大学の内部試験を一緒に受けないと告げた時は
もう、全てが終わってた時。
少しでも出来てしまう距離が怖くて
同じ東京に居るのに、
「黙っていた」・・・「聞いてなかった」が交差して
好きだったのに・・・
臆病だったあの頃の私達は・・・別々の道を歩いた。
大祐「ごめんな。辛い思いさせて。
俺・・大学に入って、３日ぶりにAと会った時
すげぇAが綺麗になってて、心配でさ・・・。」
A「・・・もういいよ。昔の事なんだから。」
大祐「・・・A、好きだよ。
もう、離したくない。」
・
・
都会の雑踏の中
だいちゃんの声が、確実に・・・大人になった私の耳に届いた。
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 190人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜乃花(プロフ) - 初めまして♪読ませていただきました！よければ、菜乃花の小説も覗いてやってくださいｗらんさんより遥かに下手ですが・・・ (2011年7月16日 20時) (
レス) id: 70593e6d80 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - はじめまして☆すごく素敵な小説でした^^私も最近、書き始めたんですが中々うまく書けなくて悩み中です(ｐω-)勉強になりましたありがとうございました！ (2011年5月14日 23時) (携帯から) (レス) id: c2a9417148 (このIDを非表示/違反報告)
美佳(プロフ) - らんさんにみてもらいたいです。僕は、子供に恋をした。二宮和也さんメインです！ (2011年3月10日 21時) (携帯から) (レス) id: d17a204d47 (このIDを非表示/違反報告)
香穂(プロフ) - らんさん、久しぶり(^o^)／最近来れなくてごめんなさいm(._.)mでも来ないうちに凄い…殿堂入りおめでとう(≧∇≦)これからも頑張ってねo(^-^)oずーとずっとらんさんの事応援してましｯ☆ (2011年3月1日 2時) (携帯から) (レス) id: bef3f38606 (このIDを非表示/違反報告)
チャパ(プロフ) - すごくおもしろいです！文章もおしゃれでやさしくて素敵です！毎晩寝る前に読んできゅんきゅんしてます(*^□^*) (2011年2月26日 20時) (携帯から) (レス) id: 0750166d3b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らん
