21.手招き ページ21
「今日はお仕事休み？」
「？…はい。」
「じゃあ、
お買い物行きますよ。」
「…お買い物？」
そう言うと
どうやって生活するのよ
なんて笑っている。
ちょっと鼻につくが
言っていることは
間違っていないので黙っておく。
「準備どのくらいかかる？」
「20分ください」
「了解。服は洗濯して
脱衣所にかかってますよ。」
「…え。ありがとうございます。」
「はーい。」
早く、と急かされながら
脱衣所に行くと
昨日着ていた服が
綺麗にハンガーにかけられていた。
本当に気が利く人…。
「…って
感動してる場合じゃない！」
慌てて服を着て
泣き腫らした目が隠れるように
化粧をして、髪の毛を整えて
「…おまたせしました！」
と言いながら
リビングに戻れば
当の本人はソファーで
ゴロゴロしながら
携帯をいじっている。
「おー、20分ぴったり。
じゃあ行きましょっか。」
そう言って
ほぼ部屋着のような格好のまま
玄関に向かう。
「え…。そのまま行くんですか？」
バレたら大騒ぎになるのに。
「意外とバレないのよ。」
そう言って靴を履いてから
玄関に置いてあった帽子を
被ってドアを開ける。
「車まわすから
あなたは鍵かけてから
ゆっくり降りてきて。」
和くんはそう言って
私に鍵を渡して
少し小走り気味に
エレベーターに向かった。
「こんなに無防備に
鍵とか渡していいの？」
そんな独り言を
ぼそぼそ言いながら
鍵をかけてエレベーターに乗る。
「…どうしてこうなったんだろ。」
どんどんと下がっていく
数字を見ながらそんなことを思う。
和くんのことが
嫌いなわけではないけど
非現実すぎる展開に
頭がついていかない。
でも私は
彼のことを忘れるために
和くんの側にいることを決めた。
エレベーターを降りて
エントランスを抜ければ
正面に１台の車が停まっていて
運転席で
和くんが手招きをしていた。
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Ruka(プロフ) - チョコ*ドロップさん» コメントありがとうございます！お言葉すごく嬉しいです。励みになります(><)今後もどうぞ応援よろしくおねがいします！ (2018年8月7日 8時) (
レス) id: 7e73708de8 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ*ドロップ - 面白いです！ これからもたくさん書いてください！ 応援してます！(`・∀・´) (2018年8月4日 16時) (レス) id: 26fab03e05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ruka | 作成日時：2018年7月26日 17時
