◇044 ページ44
【胡桃side】
・
息するのが苦しい。
教えてもらっても上手くできず、体内の酸素がどんどん薄くなっていく。
「ﾊｧ…ﾊｧ…」
先輩が私の目尻に指を伸ばし、あふれてる涙をひと粒掬った。
キスど素人の私は下手っぴ。
苦しくてこぼれた涙を見て、カズ吉先輩が「初々しいね」と柔らかく笑う。
「先輩…、我慢、してます…か？」
和也「何の？」
「その…、大野先輩が…A先輩にしてるようなことについて…です」
これだけキスされてるんだから我慢してるようには思えないけど
ここまでは全て経験のない私目線だから。
経験豊富な大野先輩が我慢してると仰るなら、そうなのかもしれない。
和也「ふっ、どしたのいきなり」
「…えっと、」
和也「俺が我慢してるって答えたら、どうする？」
「…私が、彼女の役割をします」
“智「欲を発散させてやるのも彼女の仕事」”
「私がカズ吉先輩の…、」
言いかけた時、先輩が人差し指で眉間をポリポリかいた。
和也「誰に入れ知恵されたんだか」
「…」
和也「まさか胡桃の方から言われるとはね」
ふっと笑う先輩の表情は余裕。
私は今まで以上のドキドキと、この先何が起こるか分からない不安で先輩の顔を見つめるのが精一杯。
・
景色が変わる。
さっきまで後ろにあった壁は横に移動し
視界に入るはずのない天井が私を見下ろしてる。
下アングルのカズ吉先輩も私を見てる。
・
和也「あなたが言ってるのは、こういうことだよ？」
顔の横に先輩の肘。
ああ、私…、ベッドに倒されて…。
「先パ……、」
開いた唇を、塞がれた。
さっきまでとは違う、求めるようなキス。
さっきは私の練習用。
今のは…、さらに息が出来ない。
「ふ……、んっ」
先輩が私の体に跨る。
やだ…、恥ずかしい…。
・
和也「…ね？」
「ﾊｧ…っ、ﾊｧ…っ」
和也「お子様にはまだ早い」
唇の端からこぼれたよだれを、先輩が舌でペロッと舐めた。
私…彼女の役目、出来ないの…？
でもキスだけで精一杯。
それも数秒だけ。
呼吸が出来ない。
どうしよう…。
お子様だから、先輩のために何も出来ない。
・
和也「…胡桃？」
「私…、本当に先輩の彼女でいていいんでしょうか…」
和也「…」
「私…先輩のために何も出来ないです」
先輩に見下ろされながら、こみ上げる悔しさが言葉を詰まらせていく。
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ちお(プロフ) - 杏奈さん» 杏奈さん♪ ふたまたさとしシリーズを読んでくださりありがとうございます♪ 杏奈さんご自身のプロフィールを18歳以上に設定すると私の作品ページにある彼氏色をご覧いただけると思います☆ (2017年6月9日 22時) (
レス) id: a1c0da4454 (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - ふたまたさとしもすごく良かったです(//∇//)彼氏色も見たいのですが、どうやったら見れるでしょうか？ (2017年6月9日 21時) (レス) id: 4fb3f8340f (このIDを非表示/違反報告)
きよりん - カズ吉さんみたいな人が現れないかななんて思っちゃいました(＾ｰ^) (2017年5月31日 23時) (レス) id: 06de107023 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 最後の添い寝のシーン 良いなあ〜(//∇//) すごく 大事にされてる感じ。 間違いなく 我慢はしてるはず。 でも、それを感じさせずに、大事にしてる。 カズ吉 〜〜(//∇//) 胡桃〜〜！ 幸せになるんだよ〜〜(笑) て、誰お前(笑) (2017年5月29日 0時) (レス) id: c42c4ca209 (このIDを非表示/違反報告)
けいこ(プロフ) - 胡桃ちゃんとカズ吉みたいな2人もいいな〜あちらの2人ももちろん好きだけど？可愛い後輩って感じで先輩カップルもイロイロ構いたくなっちゃうね。カズ吉のご指導ですが追いついちゃうなきっと。大人な2人も楽しみにしてます！ (2017年5月29日 0時) (レス) id: fffa901499 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◯
| 作成日時：2017年5月19日 8時
