◇027 ページ27
【胡桃side】
・
「…カズ吉はいいの？胡桃ちゃんと会えてないのに」
和也「別に」
「…胡桃ちゃんと付き合うと思ってた」
和也「…」
「改めて好きって言われたんでしょ？何で付き合わなかったの」
和也「…何で俺が付き合わないといけないんだよ、好きでもねぇのに」
パリンっ。
滑り止め加工を施してるお盆の上を傾いたグラスが転がり、床へ落ちた。
こちらに集まる視線。
ボーッと眺めてた先にある2組の目が私を捉えて、その目を大きく見開いた。
「胡桃ちゃん…、」
和也「…」
店長がそばに来て「申し訳ありません」とお客様に頭を下げる。
ハッと我に帰った私も店長より深く謝罪した。
「胡桃は新しいお水をお客様へ」
「は…はい」
店長が割れたグラスの処理と濡れた床の掃除をしてくれてる間に、A先輩とカズ吉先輩にお水を差し出す。
「ケガ…してない？」
「すみません、お騒がせしました」
「私たちは全然…。ここがバイト先？」
「はい、そうなんです」
素敵なカフェだね、とニコッと笑ってくれるA先輩。
カズ吉先輩は一言も発することなく、差し出したグラスに口をつけた。
・
裏へ戻り、店長にも頭を下げる。
それでも店長は怒ることなく、バースデープレートを先輩たちのテーブルへ運ぶよう言った。
また、先輩たちのテーブル。
完成したバースデープレートの文字を見る。
【 HAPPY BIRTHDAY to Kazunari 】
カズ…ナリ…？
・
「お待たせ致しました、ご予約のバースデープレートになります」
「ありがとう」
すごーい！とA先輩が写真を撮る。
「はい、カズナリさん、フーってして」
カズナリ…さん。
カズ吉先輩のお名前…。
今、初めて知った。
「今日、お誕生日なんですね」
勇気をしぼって話しかけた。
カズ吉先輩は私を見ずに「うん」と小さく返事した。
ケーキに刺さってたろうそくがカズ吉先輩の吐息で消える。
A先輩も、周りのお客様も、そして私も一斉に拍手を送った。
カズ吉先輩は遠慮がちにペコリと頭を軽く下げた。
・
裏に戻って皿洗いをする。
ラザニアやグラタンなどチーズ系を食べ終えたお皿に残るこびりつきが手強い。
【何で俺が付き合わないといけないんだよ、好きでもねぇのに】
そう…ですよね。
好き…じゃないですよね。
考えれば考えるほど悲観的な感情が私を支配する。
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ちお(プロフ) - 杏奈さん» 杏奈さん♪ ふたまたさとしシリーズを読んでくださりありがとうございます♪ 杏奈さんご自身のプロフィールを18歳以上に設定すると私の作品ページにある彼氏色をご覧いただけると思います☆ (2017年6月9日 22時) (
レス) id: a1c0da4454 (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - ふたまたさとしもすごく良かったです(//∇//)彼氏色も見たいのですが、どうやったら見れるでしょうか？ (2017年6月9日 21時) (レス) id: 4fb3f8340f (このIDを非表示/違反報告)
きよりん - カズ吉さんみたいな人が現れないかななんて思っちゃいました(＾ｰ^) (2017年5月31日 23時) (レス) id: 06de107023 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 最後の添い寝のシーン 良いなあ〜(//∇//) すごく 大事にされてる感じ。 間違いなく 我慢はしてるはず。 でも、それを感じさせずに、大事にしてる。 カズ吉 〜〜(//∇//) 胡桃〜〜！ 幸せになるんだよ〜〜(笑) て、誰お前(笑) (2017年5月29日 0時) (レス) id: c42c4ca209 (このIDを非表示/違反報告)
けいこ(プロフ) - 胡桃ちゃんとカズ吉みたいな2人もいいな〜あちらの2人ももちろん好きだけど？可愛い後輩って感じで先輩カップルもイロイロ構いたくなっちゃうね。カズ吉のご指導ですが追いついちゃうなきっと。大人な2人も楽しみにしてます！ (2017年5月29日 0時) (レス) id: fffa901499 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◯
| 作成日時：2017年5月19日 8時
