◇011 ページ11
【胡桃side】
私も寮生だということを言うと
A先輩が「今度遊びに行っていい？」って。
先輩が遊びにきてくれることが嬉しくて嬉しくて満面の笑みで「はい」と返事した。
具体的な日にちは決まってないけど急な訪問でも慌てないように部屋を片付けておかなくちゃ。
料理も少しは練習しなきゃな…。
カズ吉先輩みたいに上手に作れないから。
A先輩はカズ吉先輩の手料理で舌が肥えてるだろうから、今のままじゃおもてなし出来ない。
「うー…ん」
授業の合間の小休憩でスマホの画面とにらめっこ。
つくレポが多い料理を重点的に見る。
私でも作れそう且つ身近なスーパーで売ってる物を使って作れそうなもの。
カズ吉先輩はハンバーグが好きなんだよね。
…って待て待て、カズ吉先輩は来るって決まってない！
あの話は私とA先輩との間で交わされただけ。
カズ吉先輩は、きっと来ない。
ちょっと気持ちが下がる。
こんな気持ちになったらA先輩に失礼なのに。
・
「ちょっと、胡桃！」
いきなり大声で呼ばれて体がビクッと跳ねた。
「アンタとうとう…」
「な、何…？」
ドキドキバクバク継続中。
「上手くいってるじゃん！！」
「……へ？」
顔を上げた先に、カズ吉先輩。
「…へ？！」
和也「これ、忘れ物」
丸っこい可愛らしい手の中から、この前着けてた大ぶりのピアスが。
「…あっ、すみません、忘れてたことも忘れてました…」
和也「いや、俺がずっと触ってたし」
あの後も楽しくお喋りをしてたせいか、ピアスの存在を忘れてそのまま帰ったんだっけ。
周りの視線がすごい。
特に女の子。
あの、カズ吉先輩が私たち1年の中にいるから。
和也「血、止まった？」
カズ吉先輩の手が伸びてきて、私の髪の毛を耳にかける。
「…ひっ、」
和也「止まってんね、よかった」
カズ吉先輩の手が、髪に、耳に、触れた…。
「ご…ごごごご心配おかけしました…」
絶対今、顔赤い。
動悸ヤバイ。
カズ吉先輩の体温を感じてる耳なんて、爆発してしまうんじゃないだろうか。
ドキドキが止まらない。
和也「ちっちゃいのしろって、オバさんが言ってたよ」
「は…はい…、気を付けます…」
先輩、髪の毛、離してください…。
私、ホントに、脈拍上がりすぎて、このままでは死んでしまいます…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 955人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちお(プロフ) - 杏奈さん» 杏奈さん♪ ふたまたさとしシリーズを読んでくださりありがとうございます♪ 杏奈さんご自身のプロフィールを18歳以上に設定すると私の作品ページにある彼氏色をご覧いただけると思います☆ (2017年6月9日 22時) (
レス) id: a1c0da4454 (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - ふたまたさとしもすごく良かったです(//∇//)彼氏色も見たいのですが、どうやったら見れるでしょうか？ (2017年6月9日 21時) (レス) id: 4fb3f8340f (このIDを非表示/違反報告)
きよりん - カズ吉さんみたいな人が現れないかななんて思っちゃいました(＾ｰ^) (2017年5月31日 23時) (レス) id: 06de107023 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 最後の添い寝のシーン 良いなあ〜(//∇//) すごく 大事にされてる感じ。 間違いなく 我慢はしてるはず。 でも、それを感じさせずに、大事にしてる。 カズ吉 〜〜(//∇//) 胡桃〜〜！ 幸せになるんだよ〜〜(笑) て、誰お前(笑) (2017年5月29日 0時) (レス) id: c42c4ca209 (このIDを非表示/違反報告)
けいこ(プロフ) - 胡桃ちゃんとカズ吉みたいな2人もいいな〜あちらの2人ももちろん好きだけど？可愛い後輩って感じで先輩カップルもイロイロ構いたくなっちゃうね。カズ吉のご指導ですが追いついちゃうなきっと。大人な2人も楽しみにしてます！ (2017年5月29日 0時) (レス) id: fffa901499 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：◯
| 作成日時：2017年5月19日 8時
