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連れてこられたのは
どこかの山。
ロープウェイに乗り、山の頂上へ。
「なんで、山?」
「見せたいものがあってさ」
そう連れてこられた、山の中。
「この花。見て」
「なんか、めっちゃギッザギザ」
「ノコギリソウ」
「のこぎり、ぽいわ」
「Aは、ノコギリソウみたいだよね」
「は?」
そのためだけにここまで電車を乗り継いできたのか?
「トゲトゲしてて、なのに、さ、とても綺麗な花を咲かす。
そして、心に傷を負っている」
「心に傷がどうしたのさ」
「ノコギリソウの花言葉は“心の傷”“戦い”まさにそのままじゃん、A」
「意味、わからないんですけど。てか、綺麗な花なんて咲かないし」
「だって、そのままで凛としていてきれいだもん、A」
「ガキのくせして、なにいってんの?」
そんなことを言いながらも
どこか、照れている私。
「ばーか、何言ってんだか。私に惚れたくせに」
最後まで、素直にはなれないけど
これだけは言わせて。
「嫌いじゃねーよ、玄樹」
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Milky - 更新頑張ってください!! (2015年12月7日 22時) (レス) id: 15164c2cf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サリー | 作成日時:2015年12月2日 17時