水溜まりに映る空は濁っている。 (ページ20)

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『岩橋くぅーん♡』

「うわ、来た」

青ざめた表情のヤツ。

「行ってきな、はい、さよならー」

「あー！逃げないで！ちょっとここに居て！」

「は」

その間にもケバッケバの女子等がこちらに向かってきておられるんですけども。

この状況、どうしましょ。

「逃げないで、ここにいて」

念押しをされ、どうしようもなくなったので黙ってここにいることにしましょう。

『あれぇー？岩橋くん、隣のブスはだぁれぇ？』

軽く睨みながらヤツに問う、ケバケバの頭らしき女子。

「え、ブスってお前のこと？てか、誰かな君。知らないな、君のこと」

『私は櫻木七魅よ？』

「へーそーサクラギナナミって言うんだー。だから？」

正直言って、この対応をしているヤツの目は冷たく恐ろしかった。

てか、七つの魅力って。お前にそんなに魅力はねぇーよ。

とでも言いたげなヤツ。

『だからー。その隣のブスは誰なのかなー？』

またまた睨まれる。

私は何も悪くない。

「あ、コイツ？」

そう言うと、肩を寄せられて

「僕の彼女なんだ！可愛いでしょ？可愛くて妬いちゃう？」

おいおいおいおいおいおいおいっ！

「なにそれ！はぁ！？え！？はぁ！？」

私の脳内、大パニック。

“合わせろ”と言っているであろうヤツの目。

しゃーない。乗ってやるか。貸一だからな。

「そうですから。あ、邪魔なのでどいていただけますか。今日の授業の予習をしなくてはならないので」

だから七魅って人はもう激怒で狂ってる。

『岩橋くんとそんなブス、釣り合うわけがないじゃない！』

「釣り合う？」

あ、これスイッチ入れちゃったね。

「お前に決められる筋合いねぇし、俺に選択権ないって言うの？は、わらえるんですけどー」

あぁ、豹変しちゃったよー。

・怒らすと怖い

覚えておこっと。